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2020/08/18 14:00



突然ですが、あなたは
「テストステロン」というのを知ってますか?

テストステロンとは性ホルモンです。

一昔前では男性ホルモンと言われていたのですが、
ホルモンの研究が進み、性別に区分けすることなく、
実際には女性にとって不可欠なホルモン
ということが分かってき、

男性のみが出るホルモンではなく、
女性も男性もどちらも持っているホルモンとしての
認識が一般的になりました。

男性は精巣で女性は卵巣、副腎で作られます。

どうしても男性ホルモンと聞くと、女性からしてみると
毛深くなるとかニキビが増えるとか筋骨隆々など、
女性らしさという点でそれほどいいイメージはありませんが、

このテストステロンは、性機能、不妊、
更年期から閉経後の生活に
非常に重要な役割を果たす性ホルモンです。

ホルモンというと、
女性ホルモン(エストロゲンや
プロゲステロン)のメリットが
クローズアップされますが、

テストステロンも
立派なホルモンで、
ホルモンのビッグ3に入るほど。


今日は意外と見過ごされがちな
テストステロンについて、
下記まとめてみた。


1)テストステロンが女性に果たす役割



テストステロンが女性に果たす役割としては

・骨の維持と成長
・筋肉量を増やす
・体脂肪を減らす(閉経後の女性)
・健康的な性欲
・膣の萎縮(閉経後の女性で最も頻繁に発生します)の減少に役立ちます
・心血管の健康をサポート
・メンタルバランスの安定
・脳の認知機能

テストステロンのバランスが取れている状態は
女性が健康で幸せに生活していくための
たくさんのメリットがあります

またテストステロンは、性欲に関わっていて、
少なすぎると、興奮したり、性に対して
興味を持たなくなったりします。
これをHSDD(エイチエスディーディー:Hypoactive Sexual Desire Disorde)
性的欲求低下障害と訳されます。

HSDDの人は性欲が減退するのもそうですが、
加えて苦痛、欲求不満、悲しみ、自信の喪失や
自己肯定なの低下なども見られます。

うつ病と疲労は、HSDDによって
しばしば発生します。

医学界では、テストステロンの低下が男性と女性の両方の
性的欲求の低下に関連していることは既知の事実です。

慢性的に身体にストレスがかかると、
副腎からコルチゾールというストレスホルモン物質が
ずっと出続けてしまい、オーバーワークして
副腎疲労をきたしてしまいます。

副腎が疲労してコルチゾールの分泌に追われていると
DHEA(テストステロンや女性ホルモン・
エストロゲンをつくる材料)が分泌されにくくなり、

テストステロンのレベルが
低くなりすぎる可能性が高くなります。

コルチゾールとテストステロンのホルモンは
シーソーのように機能し、一方が上がると、
もう一方が下がります。

低テストステロンの症状としては、

・イライラ
・肌の乾燥
・不眠
・うつ病
・倦怠感
・関節痛
・筋肉量の低下
・骨量の減少
・性機能の低下
・体重の増加

心と体に症状が現れます。

過剰なストレスによってホルモンレベルの
バランスを崩すことによって、テストステロンも
低下していきます。


逆に、テストステロンが過剰に作られてしまうと、
卵胞の発達や正常な排卵を妨げてしまうことにもなり、
PCOSや不妊に繋がるとも言われています。

PCOSとは多嚢胞性卵巣症候群といい、
卵巣で男性ホルモンがたくさん作られてしまうせいで、
排卵しにくくなる疾患です。

またテストステロンが過剰するぎると、
不規則な月経周期、卵巣の嚢胞、
体重増加、吹き出物などが症状として現れます。

またアンドロゲン(アンドロゲンとは、
テストステロン、アンドロステンジオン、
デヒドロエピアンドロステロンなどの
ステロイドホルモンの総称)が高いと、

インスリンがブドウ糖を取り込めずに
血糖値を下げられなくなります。

また女性の気分が憂鬱になり、
炭水化物に対する強い渇望が出てきます。

高テストステロンの症状としては、

・顔の産毛の発毛&濃くなる
・体毛の発毛&濃くなる
・男性型脱毛(頭頂からの脱毛)
・過剰なニキビ
・低い声
・体重の増加
・高コレステロール
・メタボリックシンドローム/糖尿病 
・PCOSの診断
・不妊症の現在または過去履歴


テストステロンのレベルが高い場合は、
医療機関に相談しましょう。
ホルモン療法や薬物療法でバランスの取れた
状態に戻すことができます。


2)テストステロンレベルのバランス



テストステロンは、少なすぎてもダメだし、
多すぎてもダメだということ。

このテストステロンのバランスをとってくれ、
少なすぎず、そして過剰になってしまわない
ようにする方法として、「ストレス管理」と
外部から摂取する「食事」が非常に重要になってくる。

ストレスを管理する方法は様々あるが
下記が参考になります。

■無用なストレスを溜めないようにする8つのリスト


同時に食事は非常に重要で、
テストステロンのレベルが低い場合は、
テストステロンレベルを上げるのに役立つ食品を
補給するといい。

テストステロンの増加に関連するビタミン、
ミネラルを摂取することで
テストステロンを増やすことができます。
それは主に亜鉛、ビタミンD、セレン、
マグネシウムが豊富な食品と言われています。

そこで、次の食品はテストステロンのレベルを
高めることができるリストです。


3)テストステロンのレベルを上げる食品として


・アブラナ科



アブラナ科の野菜(ブロッコリー、カリフラワー、芽キャベツ、
ケール、カブ、キャベツなど)は、エストロゲンのレベルを
下げることでテストステロンのレベルを上げてくれる。

これらの野菜は、良いエストロゲン、安全なエストロゲンに
分類されている2-OHE1を産生するように誘導してくれる
インドール-3カルビノールと呼ばれる
化合物が含まれています。

詳しいことは下記に記載しています。
■月経のイライラを整えてくれるDIMの効果とは

この変換により、体はテストステロンレベルを
より簡単に調節できるように、バランスをとってくれます。

テストステロンのレベルが上げると、
筋肉量を取り戻し、体重を減らし、
エネルギーが出て、性欲を向上させることができます。


・アシュワガンダ

アダプトゲンに分類されるアシュワガンダ。
根、キノコなどは副腎を癒す効果があり、
コルチゾール分泌の低下に一役買ってくれる。

アダプトゲンとはストレス、緊張、不安を
鎮静させてくれる。

先程コルチゾールとテストステロンはシーソーの関係と
言いましたが、アシュワガンダは、
副腎をケアし、コルチゾールを軽減してくれる。

2015年の研究で、300 mgのアシュワガンダ抽出物を
1日に2回8週間摂取した被験者は、
プラセボグループ(偽薬)と比較して、
16-20%のテストステロンの増加を示しました。



・生姜



アダプトゲンに分類される生姜は吐き気、消化不良、抗炎症作用で
最もよく知られていますが、ショウガ抽出物も
テストステロンレベルを高める可能性があることを示唆しています。
不妊症の人を対象とした2012年の研究では、
ショウガがテストステロンレベルを17%増加させ、
他の主要な性ホルモンのレベルも増加させることが
できることがわかりました。


・キノコ



アダプトゲンに分類されるキノコ。
キノコには豊富なビタミンDが含まれており、
ビタミンDはテストステロンレベル上昇
させるこで知られている。

他にもマグロ、サーモン、サバなども
ビタミンDが豊富な供給源です。
ビタミンDは何も食品だけからではなく、太陽に
あたりさえすれば、体内で勝手に合成される。
■UVカットしてビタミンDを増やす方法


・ニンニク


ニンニクには、コルチゾール値を下げるのに役立つ
アリシンと呼ばれる化合物が含まれています。
ストレスホルモンであるコルチゾールは副腎で生成されます。
副腎ではテストステロンが生成されます。

体にストレスがかかると、コルチゾールが生成され、
テストステロンの生成などに影響を与えます。

コルチゾールの量を減らすことにより、
テストステロンが副腎によってより効率的に
生成されるようになります。

ニンニク自体はテストステロンを高めるというよりかは、
コルチゾールを低下させてくれることで
テストステロンのレベルを高めてくれるという理屈。


・卵黄



卵黄は卵白よりも多くの栄養素を含み、
テストステロンレベルの低下に苦しんでいる時に
促進してくれます。
卵はタンパク質、ビタミンD、オメガ3の素晴らしい
供給源であり、これらすべてがテストステロンの
生産を助けてくれます。



・牡蠣


亜鉛は生殖機能とテストステロンのレベルに不可欠です。
牡蠣には亜鉛が豊富に含まれています。
亜鉛というミネラルは、体がテストステロンの
生成を助けてくれます。


・ザクロ



ザクロは、ストレスを減らし、心臓の健康を改善するだけでなく、
テストステロンのレベルを上げることができます。

60人の健康な参加者が純粋なザクロジュースを14日間飲み、
研究者は唾液中のテストステロンのレベルを1日3回テストしました。

研究期間の終わりに、男性と女性の両方の参加者は、
唾液のテストステロンレベルの平均24%の増加を示しました。
また気分と血圧の改善も見られたと示唆されています。


4)テストステロンレベルを減らす食品


次に、テストステロンを減らす食品として


・霊芝



アダプトゲンに分類されている霊芝。
霊芝キノコは、5-α-レダクターゼのレベルを大幅に低下させて
テストステロンがDHTと呼ばれるホルモンに
変換されてしまうのを妨ぎました。


・オメガ3脂肪酸の魚油(1日3グラム)


 
女性のテストステロンの有意な減少をもたらしました。
オメガ3脂肪酸含有量の高い魚を食べることも
同じ効果があると思われます。
オメガ3脂肪酸を多く含む魚には、鮭、サバ、ニシン、サンマ、
イワシ、マグロなどよく見る魚には大抵豊富に入ってます。



・ナッツ



2010年のEuropean Journal of Clinical Nutritionで 
発表された研究では、PCOSの女性がランダムに選ばれ、
クルミまたはアーモンドのいずれかを6週間摂取しました。

クルミを食べた女性は、性ホルモン結合グロブリン(SHBG)の
レベルを上昇させる。

性ホルモン結合グロブリン(SHBG)は
簡単にいうとテストステロンを機能させないようなホルモンで
これが上昇するとテストステロンが抑えられる。

そしてアーモンドはアンドロゲンレベルを低下させました。

前述しましたがアンドロゲンとは
アンドロゲンとは、テストステロン、アンドロステンジオン、
デヒドロエピアンドロステロンなどの
ステロイドホルモンの総称のこと。


・スペアミントティー

 


血流中の遊離テストステロンのレベルを
低下させる可能性があります。

Phytotherapy Researchで 発表された研究では、
PCOSの女性が無作為に割り付けられ、スペアミントティーを
1日2回1か月間摂取し、プラセボハーブティー(偽のハーブティー)と
比較しました。

スペアミントティーグループでは、
遊離および総テストステロンレベルが
30日間で大幅に減少しました。


・亜麻仁



亜麻仁の補給(30 g /日)により、総テストステロンと
遊離テストステロンが減少しました。
患者はまた、研究期間の終了時に多毛症(女性の体毛が異常に多い状態)の
減少を報告したとのこと。

・甘草



中東(および南ヨーロッパなどの近くの地域)に自生する
マメ科植物の根であるカンゾウは、毎日摂取すると
テストステロンレベルを下げる可能性があります。


・緑茶



緑茶はテストステロンがDHTと呼ばれる
ホルモンに変わるのを防ぐこともできます。


テストステロンが高い場合は医者へ相談しましょう。



いかがでしたか?

このようにテストステロンのバランスは、
女性にとっても非常に重要な役割があり、
日々の生活に深く影響してきます。

テストステロンの不均衡によって
体重増加、ニキビ、体毛の増加、
月経周期の不規則性と筋肉量の低下、
メンタルなど、様々な面で症状が出てきます。

これら少し頭の片隅に入れておいてください。
参考になれれば幸いです。





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