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2020/08/19 14:00
皆さん、PCOSって聞いたことありますか?
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と言って、
女性の排卵障害では多くみられる疾患で、
卵巣で男性ホルモンがたくさん作られてしまうせいで、
排卵しにくくなる疾患で、月経不順のある方で
よく見かけられる疾患です。
PCOSは妊娠率が低下するので、
不妊治療をしている中でPCOSで
悩まれている方もたくさんいらっしゃいます。
自覚症状としては、
・月経周期が35日以上
・月経が以前は順調だったのに現在は不規則
・にきびが過剰
・やや毛深い(顔や体毛の不必要な発毛&濃い)
・体重増加やメタボリック
・男性型脱毛(頭頂からの脱毛)
・極度の疲労
・気分のアップダウン
性ホルモンであるテストステロンが
過剰に分泌されてしまい、
女性ホルモンであるエストロゲンの欠如を
引き起こします。
これは、アンドロゲン(男性ホルモンの総称)レベルが
上昇している状況で、生殖ホルモンのバランスが
乱れてしまっている状態です。
またPCOSは、2型糖尿病、心臓病、
肥満のリスクも高くなります。
アンドロゲンが高くなってしまうと、
インスリンが十分に働かなくなってしまい、
血液中を流れるブドウ糖という糖(血糖)が
増えてしまう病気です。
筋肉や肝臓が血液中のブドウ糖を
取り込まないため、
血液中にこの糖が浮遊して行き場のない、
シロップのような血の状態。
血糖値が下がらず、糖尿病の発病につながります。
PCOS患者の80%は過体重になり、
腹部脂肪が過剰になる傾向があり、
痩せるのが難しい体質になってしまいます。
これはホルモンの不均衡が原因であり、
インスリンの処理が困難になってしまうから。
PCOSのケアというのは、
病院の処方箋はもちろん、
すべての栄養学および医学の専門家は食事療法と
ライフスタイルの変更が薬と同程度か、
それ以上に重要と言われています。
ホルモンバランスというのは、
摂取する食べ物、生活習慣やストレスと、
かなり密接だからです。
ライフスタイルを見直し、
ストレスを過剰に溜め込まず、
ホルモンのバランスをしっかりとる食事、
避けるべき食事を正しく取捨選択することが、
PCOS症状の最初の防御策。
これはPCOSのみならず、
ダイエットや美容においても
効果的なのは言うまでもありません。
■PCOSで食べるべき食べ物
・低グリセミックインデックス(GI)食品
グリセミックインデックスとは、
炭水化物を含む食品を消化、
吸収する速さに基づいて評価する方法。
低GI食品(ほとんどの果物、でんぷん質のない野菜、豆類など)は
ゆっくりと消化され、血糖値の急上昇を抑えます。
低GI食は月経周期の規則性を改善することが示されています。
・食物繊維
高い食物繊維を含んでいる食べ物は、
インスリンレベルの低下、炎症を抑える
抗酸化物質、腸内細菌の改善など、
PCOSの女性に多くの利点をもたらします。
種子(チア、亜麻、ヒマワリの種)
マメ科植物(黒豆、レンズ豆、ひよこ豆)
ベリー類(ラズベリー、ブラックベリー、ブルーベリー)
全粒穀物(キノア、玄米、全麦など)
・高タンパク質
ある研究では、低タンパク食(15%タンパク質)と比較して、
高タンパク食(30%タンパク質)を服用すると、
PCOSの女性では遊離アンドロゲンレベルが
はるかに低いことがわかりました
脂肪の少ないタンパク質は、
減量に役立つだけでなく、
満腹感を長く保つことができます。
・魚(鮭/サーモン、サバ、サンマ、マグロ、タラなど)
・鶏胸肉
・植物性タンパク質源(豆、エンドウ豆、豆腐、テンペなど)
・オメガ3脂肪酸
オメガ3脂肪酸には強力な抗炎症作用もあります。
オメガ3の供給源には、アボカド、脂肪の多い魚(鮭/サーモン、
サバ、サンマ、マグロ、タラ)など。
また血管を拡張させ血液量を上げ、血液を綺麗にしたり、
健康で丈夫な神経や心臓などにも効果的。
また生殖能力を健康的な状態へと回復させ、
妊娠率の向上にも重要な役割を果たします。
オメガ3は
・ホルモンを調節する
・排卵を抑制するホルモンであるプロラクチンに対する体の感受性を低下させる
・子宮への血流を増やす
・精子が卵子に到達するのを助ける。卵白の子宮頸管粘液を増やす
・月経周期を調整するのに役立つ
・抗炎症食品
体内が炎症を起こすと、インスリンを上昇させてしまい、
PCOS症状の悪化の一因となる可能性があります。
抗炎症作用のある抗酸化物質で満たされた食品
・果物(イチゴ、ブルーベリー、ラズベリー)
・野菜(ほうれん草、アーティチョーク、ケール)
・全粒穀物(全粒オート麦、全粒小麦、キノア、玄米)
・不飽和脂肪(ペカン、ナッツバター、オリーブオイル、アボカドなどのナッツ)
・アダプトゲン(アシュワガンダ、ウコン、キノコなど)
・キノコ
PCOSの女性の約80%で不足しているビタミンD。
最近の調査では、不妊治療を開始したときに
ビタミンDが不足しているPCOSの女性は、
妊娠する可能性が40%低いことがわかっています。
■ビタミンDについては下記が参考になります。
■PCOSで避けるべき食品
次に、PCOSにとって避けるべきなのは、
1:炭水化物
2:炎症性のある食品(砂糖、加工食品、高脂肪高カロリー食)
PCOSの女性は糖尿病を発症する可能性が
はるかに高いため、血糖値が急上昇させる可能性のある
精製された炭水化物は避けるべき食品です。
精製された炭水化物とは下記のように
加工された食品です。
・白パン
・ピザ生地
・レギュラーパスタ
・白米
※白米も加工された炭水化物に入るけど、
豊富な栄養価とメリットは、最近のエビデンスでも
摂取したほうがいい部類に入っているから
適度に。例外でOK。
他にも、
・ケーキ、キャンディー、クッキー、スナック菓子
・フライドポテト、ハンバーガーなどファーストフード
・揚げ物
・加糖シリアル
・砂糖を加えたヨーグルト
・砂糖または砂糖代替品を過剰に加えたアイスクリーム
・コーラなど炭酸飲料、人工甘味料、ジュース
・コーヒーやその他のカフェイン入りの飲み
PCOSはテストステロンが過剰に出ている状況なので、
下記記事に、テストステロンを下げる食品として
記載しているので、合わせて読むと、より理解が進みます。
■女性のテストステロンレベルと症状、リスク、有用な食品
他にも、PCOSの人にとって有利になるのが
ストレス軽減になる運動や
瞑想などのストレスケアです。
体にストレスがかかると、
副腎でコルチゾールが生成され、
血糖値が上昇します。
ストレスというのは、女性ホルモンを
乱してくるものであり、
アンドロゲン(男性ホルモンの総称)の生産を刺激する
ホルモンの分泌が促されてしまいます。
PCOSの患者の約25%が、
ストレスによる副腎で生成される過剰な
アンドロゲンが見られることが
明らかになっています。
ストレス管理というのは、
自身の生活を質を上げるために、
幸福感を上げるために、
最重要科目なわけです。
ヨガ、瞑想、ランニング、ウォーキング、
ワークアウトなど。
下記に、ストレスケアについての記事を
貼っておきますので、よかったら参考にして
みてください。
■無用なストレスを溜めないようにする8つのリスト
おあとがよろしいようで。
今日はこんなところで。
おしまい。