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2020/09/15 14:00
「ポジティブにならなきゃ・・・」
「ポジティブじゃないとダメだ・・・」
「ポジティブを保たないと・・・」
このように、あなたも無理してポジティブを
演じていませんか?
時々、そして適度な場面でのポジティブシンキング
ならもちろん構いませんが、
これが過剰になってしまうと、
物事をポジティブな面だけを見て
生きていくことこそが立派で、
偉く、唯一の生き方であり、
それ以外のネガティブな「今」の感情を抑圧し、
無視、拒絶し、そのような自分は
悪いんだと決めつけ、ありのままの
自分の判断や感情を否定する。
そしてネガティブな感情を引き起こす可能性の
あるものはすべて拒否する。
またそれを人にも押し付けたり、
促したりするようになります。
これをToxic positivityと言います。
Toxic(トキシック)とは「有害」という意味で、
positivity ポジティブな考えや態度で
つまりは、「有害なポジティブ」という意味。
ネガティブな物事や感情と向き合わず、
ポジティブという言葉に逃げ込む。
いますよね。もっとポジティブにいきなきゃと
ポジティブ焦りしている人。
また悩みを打ち明けたときに「もっとポジティブに
生きていこうよ!」と「もっと肯定的にならないとダメだよ」と
励ましてくる人も。
(悪気はないと思うのですがやはり誰しもが
そうできないってこと)。
有害なポジティブさを持っている人は
否定的な感情や考え方は、
「悪いもの」と見なします。
そして積極性や幸福というのが、強制的に
前面に押し出され、内側にある、
本当の自分の感情を見ないようにします。
自分の感情を抑えこみ、嘘をつき、
閉じ込めているってこと。
今のネガティブな物事から目をそらし、
その考えを否定すると、ありのままの自分を
愛してあげる、自己への思いやりが
欠けてきてしまう。
「こんな考えは恥だ」と。
その感情に至ってしまった自分を自己否定したり、
自己嫌悪感が出たり、自己肯定感の
低下のリスクが高まる。
ネガティブな考えに陥った際、
「こんなネガティブじゃダメだ、もっと明るく
ポジティブにならないと」と負荷をかけ、
真実の感情を隠すことで、逆に心配感、不安感が
増大してしまったり。
スタンフォード大学の研究で、
感情の抑制は逆に心理的ストレスが
蓄積されてしまうことが分かっています。
感情を抑制して処理できないと、
睡眠障害、薬物乱用の増加、酒量の増加、過食、
急性ストレス、長期にわたる悲嘆、不安感の増大、
鬱病、PTSDなど、たくさんのメンタルバランスの
乱れにつながる可能性があります。
一日中ポジティブな雰囲気を装う、
自称ポジティブ。
仮面ポジティブ。
これらは正直疲れます。
何事もバランス。
今のありのままの気持ちや感情を許してあげ、
受け入れ、受け止め、認めてあげること。
別にネガティブになっていいじゃない。
それが普通なんだから。
人間の脳の構造上、DNAがネガティブ
フォーカスするように設計されています。
それは私たち祖先が、どう猛な動物や過酷な
気象条件でも生き延びることができた理由であり、
危険を察知し、反省し、分析し、
予知予見する、危機察知脳力や
シュミレーション能力があったから。
そう、だから、ネガティブになることのほうが
実は人間ノーマルな状態で、
通常営業なんですよ。
ポジティブにするというのは、
実は人間の脳の構造上、
ノーマルなことではないんです。
確かにありのままの状況を受け
入れることって辛くて、悲しいことだと思うけど、
受け入れないで、それを鼻から拒否し、
逃げ回っていても、目の前に
一瞬いなくなるように見えているだけで、
またそれは現れるし、どこにいっても
付きまとうだけです。
だたし、本気で「あっ、これはやばい状態」、
「ピンチすぎる絶対絶命の状態」って
メンタルの時は、
この回避戦略をとることも1つの手段です。
いっぱいいっぱいで受け止められない
ような状況の時は、一度、目の前の状況から距離をとり、
状況から逃げ、見ないようにし、
休憩し、また思考が回復して、
心身共にエネルギーが回復してから、
取り組むってのも1つです。
でもそれ以外は、良い感情と悪い感情の
両方のバランスをとり、受け止め、認めてあげること。
特に今、コロナで遠出や外食も控え、
在宅率も高くなっている。
そういう状況下で、無理して、
ポジティブを演じている人が後を絶たず、
メンタルヘルスに支障をきたしている人が
世界中で増加していて、重大な
健康問題へとなっている。
緊急事態宣言が出され、自粛中は
「何かやらなきゃ、自分を高めなきゃ」という焦りや
ストレスから無理してポジティブ感を演じる。
SNSでは「新しく語学を学んだ!料理やお菓子、
パンを作った!」などキラキラのオンパレード。
みんながみんな、「新しいことに挑戦しなきゃ
時間がもったいない」、「ポジティブでなきゃっダメ」と
考えることはありません。
コロナでストレスなところを、更に有害なポジティブで
メンタルに負担をかけることにもつながります。
前向きにいきなきゃダメだという目標が自分を
縛りつけてしまうので。
何もやれていない、何もはじめていない自分を否定し、
罪悪感や自己嫌悪に陥り、不安感を
わざわざ高める必要はないってこと。
またネガティブな感情を受け入れて、対処することは、
ネガティブな感情を減らすことに役立ちます。
ネガティブな感情と向き合うことは
難しいし苦しいこともある。
すべてがうまくいっているふりをする方が簡単です。
ネガティブを受け入れ、パートナー、親、
または友人に辛いこと、
悲しいこと、ネガティブなことについて
最終的に話し、相談することができるとき、
何か憑き物がとれたかのように、身軽になり、
気分が楽になりますよね。
人間ずーっとポジティブでいることはできません。
日はのぼり、必ず沈みます。
朝が来て夜が来てを繰り返します。
ポジティブにいかなきゃと無理に洗脳しても、
それは嘘をついていることは
自分で分かっているんです。
私ポジティブだから!と言っている人がいたら
ネガティブを見て見ぬふりして自分の感情を
抑え込んでいる人と捉えられますよね。
自分の感情に正直に、感情はシグナルです。
ネガティブに思ってしまう感情の
出入りするときに注意を払い、
感情をしっかり受け止め、認め、
処理するようにしましょう。
ポジティブで逃げでも原因である腫瘍は
取り除けていないということを認識し、
逆に感情を牢獄に閉じ込め、
ストレスが蓄積している方へ
舵をきっているということ。
仮面ポジティブでふとした瞬間、
むなしさや自己嫌悪に襲われ、
メンタルバランスを乱さないように注意すること。