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2020/10/19 14:00
あなたは感情をうまくコントロール出来る方ですか?
怒り、悲しみ、辛い、喜び、感動・・・
これら様々な感情で、人は成り立っていると
言っても過言ではありません。
激しい感情、それ自体物凄いエネルギーです。
心が突き動かされます。
だから感情が大きく刺激された時や状況っていうのは
すごくリアルに覚えている。
良い意味でも悪い意味でも。
良い感情、例えば、楽しい、喜び、充実、
満足した感情はそのまま良いイメージのままで
まったく問題がない。
しかし、怒り、悲しみ、不安、恐怖などの
否定的な感情の対処の仕方や、付き合い方というのは、
また良い感情の時とは別のアプローチが必要になってくる。
多くの人は、感情的な苦痛、苦しみなどの
否定的な感情を「修正」しようとします。
感情を押し込み、抑制させ、回避行動をとり、
無視し、見ないふりをして、閉じ込めてしまう。
感情的な苦しみを、避けようとすればするほど、
実際には苦痛が深まり、増大するという
奇妙なパラドックスがおこってしまいます。
「このように感じるべきではない、
これを変える必要がある」「こんな考えじゃだめだ」と
今、沸き起こっているその感情を否定し、
ありまのままの自分の感情や判断を抑圧させ、
無理したポジティブを演じようと考えれば考えるほど
より問題は深く根付いてしまいます。
ポジティブシンキングの有害性~トキシックポジティビティー~
では、どうやってこの否定的な感情と
付き合っていけばいいのか。
それは受け入れることです。
これはどの心理学者、海外のメンタルヘルスの
お偉いさん方達の共通のコンセンサス。
すべての不快な感覚を、そのまま受け入れられなければ
先へ進むことができません。
心の中で安全に通過することを
許可しなければ、本当の意味で時計の針は動かない。
実際、否定的な感情を受け入れることが
逆説的に長期的にポジティブな心理的健康に向き
生活の満足度、幸福感のレベルも向上するということが
下記の研究でもわかっているから。
2018年のカリフォルニア大学
「受け入れることが、ストレッサー
(ストレスな感情を引き起こす要因となるシグナル)に反応し、
否定的な感情を引き起こすのを、少なくしてくれるのに役立ち、
より良い心理的健康を達成できる可能性がある」
ということを示唆しています。
受け入れることは、ネガティブな感情に反応して使用されると、
メンタルヘルスの改善につながるってことです。
抵抗すればするほど、苦しみは持続する。
閉じ込めれば、閉じ込めるほど、
無視すれば、するほど、
隠せば、隠すほど、
回避すれば、するほど、
逃げれば、逃げるほど、
「自分は足りない人間。こんな自分は好きじゃない。
こんなんじゃダメだ。こんな自分を取り除きたい。」
嫌いというメッセージを
自分に発信し続ける。
本当のところは、無条件な承認や
自分の本来のことを愛してくれる、
温かい何かに飢えている状態とも言える。
だからこそ、「大丈夫だよ」と優しく、慰め、
抱きしめ、思いやりをもって
自分を認めてあげること、
無条件に感情に心を開くことが重要になってくる。
自分が一番の味方になってあげなくて
一体、誰が味方になってくれるのかということ。
感情を認めてあげることが、唯一、
否定的な感情を溶かしてくれ、霧が晴れ、
成仏(じょうぶつ)できる強力な策とも言える。
そこで、受け入れるためのステップとして、
1)感情を特定する
自分が持っている感情を特定すること。
複数の感情が絡み合っている場合は、
1つだけ選択する。
いつも会っている友人がいる。
いつものように「いついつ空いてる?飲もうよ」と誘うが
忙しいと断られる。また別の日、「いついつ空いてる?飲みにいこうよ」と
誘うも、やはり乗る気がない返事「ごめん、予定あるわ」とだけ。
しばらく日を置いて、また別の日に誘ってみた。
しばらくたっても返信がなく、しばらく経過してから
「忙しいわ」と一言であしらわれる。
は?突然なに?なんで?なんなの?
次の質問をして感情を中断させる。
・今、何を感じている?
→混乱、怒り
・今、何に不満を感じているのか?
→相手の突然の冷たく、そっけない態度に対して
・どうしてこんな感じになったの?
→説明はなかった。自分に何か思い当たるふしはあるのか。
今の自分には分からない。
・状況にはどういう理由がありそうか?
→たぶん相手は本当に忙しいのでは?
ストレスが蓄積しているのでは?
病気かも。または口外したくない何か大事な事情を抱えているのでは?
・この気持ちをどうしたい?
→大声を出しながら、スマホや家中のあらゆる物をブチ投げ、何かを破壊し、
怒りと不満を解消させたい。相手に文句を言いたい。
・それらに対処するためのより良い方法はありますか?
→大丈夫かどうか尋ねてみる。次に空いている日を尋ねてみる。
散歩やランニングをして切り替える。
現在の状況と現在の感情を把握して、
考えられる代替案を検討するよるようにすると、
最初の極端な怒りの反応が客観視され、
衝動的に怒るという反応を自ら選択しているということも
分かるし、考えを修正するのに役立ちます。
また、他にも、その感情に感情の名前を
つけるという方法がある。
例えば、”悲しみ”、”怒り”、”恥”といった感じで。
そして何に対してその感情が起きているかを考える。
そして、それを紙に書き留めます。
感情が特定された後、
目を閉じます。そして自分から2メートルほど先に、
その感情を置くことをイメージします。
その感情を、外から眺めている、
感情を観察しているイメージを想像します。
そして次に、その感情に
色、形、大きさを与えていきます。
その感情は、どんな色ですか?
どんな形ですか?
どんな大きさですか?
これら形や大きさや色を与えて、
感情という物体のないものが、いったいどんな
姿形をしているのかを想像でいいので、
形あるものとしてイメージします。
荷姿をイメージできた後、
2メートル離していた感情を、
自分の元の心に位置に戻すイメージ、
パズルをはめ込むイメージですね。
これによって、
1:少し距離を置いたとき、感情はどう変化したか?
2:その感情に対する自分の反応の変化はどうだったか?
3:またどのようなサイズ、形、色で感情を表現したか?
4:元の心の位置に戻した後、感情は何らかの形で変わった感じはしたか?
これらによって
衝動的に感情を反応していたものが、
自分の感情について違った考え方をしたり、
より受け入れやすくなることに気づいてくる。
感情はあくまで情報。
情報に反応し、善悪の判断、評価付けを
行っているのは自分の意識。
感情はただのメッセンジャーに過ぎない。
それらは「良い」でも「悪い」でもない。
いつも中立です。
2)感情日記をする
なぜその感情を選択したのかというトリガー(引き金)を特定し、
その感情に至った経緯やイベント、
その感情、それによって引き起こす自分の反応、行動を
書き留めていく。
否定的な考えになるパターンを
明らかにするのに役立つから。また
感情を紙に書くことで、より深く内省
することができるようになります。
またトリガーを特定することで、
それらをより感情を生産的に管理する
方法を考え出すことができるから。
感情日記、ジャーナリングは、
毎日行うことが最大のメリットを
もたらすと言われています。
今の感情を単に書きなぐっていくだけでもOKです。
思いついた感情を書いていく、吐き出していく。
何も思いつかない場合は、
「今日はなんも出ないわ。まー別にいいか」と書いていく。
ずっとひたすら書いていく。
感情日記はだいたい
20分~30分くらいの時間制限内に書くことが
望ましいと言われています。
そのうち、何か思いつく。
思考や感情に寄り道が出てもOK。
「あーこの時こんな感情だったんだ」
「こんな思考回路辿っているんだ」など
色々発見が見つかり、将来に役立つ可能性のヒントが出てくるから。
毎日はさすがに・・・という方は、
激しく感情が刺激され、否定的な感情に
なっている時などに書き留めるようにする。
その感情を選択してしまうトリガー(引き金)となるイベントと
その感情、感情によって引き起こされる自分の
反応に注意してみること。
いかがでしたか?
なぜその感情を選んでいるのかという理由は
外部にはなく、自分の中だけに答えがある。
きっと本当は認めてもらい愛してもらいたかったはず。
感情を特定し、それを抑圧して逃げたり隠したりせず、
慈しみ、愛して、抱きしめて、包み込み、
優しい口調で慰めてあげること。
すーっと霧が立ち消え、
真っ暗闇だった眼前に、温かい光が差し、
空は晴れ渡る。
止まっていた時計の針が進みだす。
本当の意味でこれから
新しい人生が進みだす。
おあとがよろしいようで。
今日はここまで。
おしまい。