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2020/10/26 14:00




「~さん!●●できるんですよね?すごいですね!」

あなたはこの相手の賞賛や褒められたことについて

「いやいや、そんなことないよ。たまたま運がよかっただけ」

謙遜するのは日本人の美徳。

この謙遜、ただの謙遜なら問題ないのですが、
心底、「私には本当にそんな賞賛されるほど能力はないんだよ」
「私なんて成功に値しないんだよ」と、自己否定的に思って
しまってしまう人がかなりの数でいることが分かっています。

どうですか?それ、インポスター症候群かもです。


インポスター症候群とは、

・自分の能力を過少に評価して「私には能力がない」と
自分の評価を自分で落としてこんで否定してしまい、

・自信がなく、何か課題に挑む際に、失敗を過度に
恐れ不安感が増大している傾向が強く、

・成功したりうまくいったりした場合による
他人からの賞賛を嫌い、嫌がり、自分の価値を割り引いて、
心の底から「私なんて無価値なのに」と否定的な
気持ちが増してしまう

・いつしか、「本当の自分を他人に知られてしまうのではないか」
という不安に怯え、相手と深くコミニケーションをとるのを嫌がる

・表層しか取り繕えない。
本来の自分を隠し、こんな私って詐欺なんじゃないかと
思ったりする

インポスターとは詐欺師、ペテン師を意味する英語です。


海外では、約70%の人がこのインポスター症候群を
1度は経験していると言われています。

無意識な思考回路、言語化しにくく説明しにくい
メンタル的な症状であることから、
多くの人が見過ごし、

そして、例え、こういう傾向があると
自分自身で認識できたとしても、

回りで同症状で苦しんでいるという
情報があまりないことから、

「こんな感情になっているのは自分だけだ」と
更に自分をネガティブな方面へと落とし込み、
相談もできずに、一人で悶々と、
悩んでいるという人が多かった。

今ではPCやスマホのおかげで以前よりかは
情報は簡単に手に入る時代となったけど、
それでもなお、無意識レベルのメンタルのことだから
無自覚の人が大半で、言われてみて、
「あっ、私そうだったんだ。知らなかったわ」という人も
まだまだ多い。

ハリウッドで成功を収めたメリル・ストリープ、
ジョディー・フォスター、トム・ハンクス、
ナタリー・ポートマン、
そしてあのアルバート・アインシュタインでさえ
インポスター症候群を経験し、苦しんだ過去が
あると言われています。


「私のやっていること、これ詐欺っぽい」と
自己不信に陥り、過度に心配し、課題に取り組み、
挑戦する前の動きを考えすぎてしまいます。

思い悩んでしまうリスク、腰が重くなり、
身動きがとれないような状況に
自分で自分を追い込んでしまい、
チャンスを逃しやすいとも言えます。

自分には価値がない、有能ではない、
または資格がないと感じている。

例えば、ある分野で「資格」をとったとする。
他人はあなたを賞賛し尊敬しエキスパートとして扱います。
「私なんて。ただこの分野の知識の表面を
かじっただけの大したことない人間なのに」と心の底から
感じてしまいます。  

良い面では、自信のなさから絶対的で、
完璧を目指して努力することができるという点です。

自信がないからこそ頑張れるってやつです。

事実、インポスター症候群に陥る人は
完璧主義的思考を持っている人が多く、
高学歴、高レベルのスキルや専門性、など、
優秀な人が多いと言われています。

この完璧主義思考とインポスター症候群とは
要素として非常にかぶる部分が多いのも特徴です。

この完璧主義。言葉としてはストイックでかっこいいですね。
でも心理学やメンタルヘルスの観点でいうと
良しとされていない心理状況、思考回路です。

それは、世の中には完璧な人間なんていうのはおらず、
完璧を自分にも他人にも求めるのはナンセンスで、
それが達成できないと、
自分を責め、能力がないと自己否定し、

プロセスは意味がなく結果だけという
0か100か白か黒かの誤った偏狭思考が強くなり、

自信をなくし、モチベ低下、自己肯定感が
低下し、人生の幸福度が低下し、人生が下降線を辿ってしまうという
リスクが極限に上がってしまうから。


インポスター症候群は、失敗することへの恐れ、
強い完璧主義の思考を発達させる。

インポスター症候群の5つの主要な要素が特定されており、
次のような完璧主義との関連が示されています。

1:人生のほとんどの分野で卓越性を追求するスーパーヒーローの地位への欲求。
2:課題に直面したときの失敗の恐れ、不安感の増大。
3:能力の否定または賞賛の割引。
4:私なんて成功に値しないと感じた場合の成功に対する恐れと罪悪感。
5:私って詐欺師なんじゃないのかと思い悩む。


課題に対しての失敗を過度に不安、恐怖を引き起こし、
過剰に準備する。120%の完成度を目指し、
その目標が達成されると、瞬間的な
達成感はあるけど、すぐに割引のプロセスが開始されてしまい、
十分に味わうことはありません。

また次の課題が出た場合は不安が現れ、120%目指して
極端にやりきり、ふりきり励む。

完璧じゃないとダメなんだと。
他人をがっかりさせたくない。
できない自分を見られるのが恐い。

目的達成の為の道中の心理状況たるや、
できない自分に怒り、イライラして頑張りが報われないため、
自分を責めて、自分を傷つけるような暴言や罵倒を、
自分の心へ、自分自身に独り言で吐いてしまう。

インポスターサイクル。

卓越性を追求する、最高になりたいという願望、
達成した成果、そして賞賛や自己評価をすぐに割引(私なんて
まだまだで全く大したことない・価値がない)など、
このような思考回路を辿るインポスター症候群と
完璧主義に陥る思考回路とで、多くの重複があります。

そこで、インポスター症候群の症状を
和らげる5つの方法を下記にまとめてみた。


1)感情を観察する



詐欺のように感じさせているものはいったい何か?
そして今どういう感情になっているかを観察する。
感情にすぐに従うのではなく、観察する。
「今、自分こういう感情だ」と。


2)認める



それを避けたり否定したりすると、もっと
気分が悪くなりよりストレスを抱え、今この瞬間の、
現状の、ありのままの素の自分の感情を
否定していることになるだけなので、

その感情にいたった自分を承認する。
うんうん、わかる、わかる。そうだよね。
でも大丈夫だよと。そうなってても別にいいんだよ。
すべては順調で全く問題ないよと。
感情を押し込まなくてもいいんだよと。


3)勝利のリスト



前向きな経験の証拠を集めてリスト化して
プロジェクトや新しい目標を達成する能力に
疑問を感じた時は、リストを読み返し
過去の成功を思い出す。

自分を信じられなくなったらいつでも
読み返すことができるようにしておくこと。

自分の強みに焦点を当て、紙に書き起こす。

得意な事、助けてあげたこと、助かったよと言われたこと、
褒められたこと、人よりもうまく、早く、
簡単にできたことなど、勝利のリストを
作成していきます。


4)共有する



信頼できる友人、家族、同僚などと
あなたの気持ちを共有する。
インポスター症候群に陥って悩んでいるのは
自分1人ではないということを忘れないようにする


5)比較しない



自分と他人を比較しない。
他人の評価を気にしない。比較して不足している部分が
見つかるとより過剰に反応し目につき、
完璧を求めるあまりその不足を補うまで極端に探し続けます。
その心中は、いつまでも不満、自己不信、自己評価の低下、
自己肯定感を下げることに繋がります。



いかがでしたか?

あまり聞きなれない症状なので、
知らなかった人、きづかなかった人、多いかと思いますが、
まー別に病気というほどのことではないのでご心配なく。
ただの物事の視点、考え方、感じ方、メンタルの状態です。

思考回路を特定して認識し、
新しい習慣を取り入れて、習慣化の訓練をしたら、
物事をまっすぐ見れるよう、感じるようになるってこと。

もしこれらの症状を見て、はぁっとすること、
思い当たるふしがあったなら
少しこれらを参考にしてみてください。


おあとがよろしいようで。
今日はここまで。
おしまい。







Good virtues グッドバーチューズ