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2021/02/02 14:00
自分の感情を押し殺していませんか?
悲しみ、恐れ、怒り・・・
これら否定的な感情は、
ネガティブだから”ダメ”な感情であり、
”よくない”感情であると、
押し殺し、逃げ、恥てしまい、
罪悪感を抱き、隠していませんか?
たとえ、これらの感情を抱いたとしても、
人は幸福感を感じることができるということが
研究で分かっています。
米国、ブラジル、中国を含む8か国の
2,300人以上の大学生の研究。
愛、怒り、興奮など、ポジティブといわれている
感じたい感情と、実際に感じた感情を尋ねられる実験。
参加者は、抑うつ症状と全体的な幸福を
測定する質問を回答。
8割りは良い感情を望むと回答。
でも残りの2割はそうではなく、
1割:肯定的感情を減らしたいと回答
1割:憎しみや怒りなどの否定的感情をもっと感じたいと回答
いずれにしても、この研究の結果として、
「自分が望む感情」と、「実際に感じた感情」が
”一致”している場合というのは、
より大きな人生の満足と、
より少ない抑うつ症状だったと研究で示唆されたんだってさ。
エルサレムのヘブライ大学の
心理学教授である主執筆者のマヤ・タミール氏いわく、
「私たちが持っている感情を受け入れ、
さらには歓迎することができれば、
それが楽しいか不快かに関わらず、
より幸せでより満足する可能性がある」と
つまりは、自分が感じたい感情を、
素直に、そのまま、ありのまま、
正しく感じることができるというのは、
快、不快、ポジ、ネガな気持ちに関係なく、
何より幸福感なことであり、幸福感が高まるんだってこと。
感じたい感情を、そのまま感じることができる
自分の環境。それが、とても大切。
ついつい、悲しみ、恐れ、怒りなどの
不快な感情は、
全てダメな感情であると教えられてきて、
これらを必死で避けようと、奥底へ
封じ込めようとするけれど、
でも、別に避ける必要なんてなく、
むしろ感じた感情をそのまま追いやらずに、
閉じ込めずに、感じられる自分の環境が大事で、、
ネガティブな気持ちと、人生の幸福度とは
関係ないんだってことでもある。
まったく関係がないかというと、
ゼロではないと思う。
だって四六時中、延々と、長期間にわたって
ネガティブな感情に囚われてしまっていると、
それはそれでしんどいから。
あくまでなりたい感情をそのまま感じることが
できる状況は正常であり、感じたいことを素直に
感じれない状況ってのは、制限的で、居心地も悪く、
それによって幸福度も下がってしまうということ。
ポジティブな感情でなきゃいけなかったり、
ネガティブな感情はダメで、抱いてはいけない感情だという
のは違うってこと。
幸福にはどっちも必要な感情でもあるってこと。
ただし、うつ病で状況が悪化している人の場合は、
もっと不幸になりたいと思う人もいるみたいで、
それがうつ病患者のコンディションを
悪化させてしまうかもしれないと
考える意見もある。
それ以外の人の場合では、
ネガティブな感情だからと、
無理に押し殺して、その感情になった自分を
否定するようなことは、
まったくないということ。
実際に、35,000人以上の研究で、
ポジティブな感情とネガティブな感情の両方が
豊富にある人は、ポジティブな感情だけの人よりも
より良いメンタルヘルスを持っていることが
研究で分かっています。
ネガもポジも、どっちの感情も、
とても大事な感情であって、
感情に多様性を持っている(エモダイバーシティーと呼ばれている)ほど、
幸福度が高くなるってこと。
すなわち、
”幸せは喜びだけでは成立しない”ということ。
「私、超ポジティブだから!」とキラキラしている人に
言ってあげましょう。
悲しみや怒り、挫折や葛藤も、
幸せを構築するための大事な要素で、
人生という壮大なパズルを
完成させるのに欠かせない、
必要なピースだということ。
また、コロナの影響により、
自粛中に「何かやらなきゃ、自分を高めなきゃ」という
焦りやストレスから、
無理してポジティブ感を演じる。
このような無理してポジティブを演じる
ポジティブシンキングの有害性(トキシックポジティビティー)
というのが、
近年、海外でもメンタルヘルスを
悪化させる概念として、
問題になってきています。
■ポジティブシンキングの有害性~トキシックポジティビティー~
(過去記事:別ウィンドウで開きます)
自分の感情に、嘘をつかなきゃいけない
必要なんてないし、
悲しい時は泣いてもいいし、
嫌な気持ちになって、怒ったっていい。
否定的な気持ちになっても、
それが普通だし、問題ないってこと。
それらは逆に幸福度を高めるための
大事な要素だから。
毎日が楽しいことだけ、
面白いこと、ポジティブな感情だけでは、
人生の幸福度は高まらないってことが
証明されているから。
否定的な感情を受け入れてあげること。
承認してあげること。
その感情を封じず、感情抑制しないこと。
今のその感情を否定しないこと。
とはいえ、ところかまわず、
傍若無人に怒鳴り散らしたり、
悲しみすぎて自分を傷つけたり、
生活に支障をきたすように
なったりしてもいいという意味ではない。
感じたい感情を、
正しく感じること。
こんな研究も、
2011年アメリカのニューサウスウェールズ大学
心理学者リチャードA.ブライアント氏による研究。
100人の参加者に寝る5分前に、
望んでいない考えを抑えるように指示。
思考を抑制しようとしたとき、
これらの考えが、夢という形で私たちの心に
忍び寄る傾向が高まることを示唆。
これを「思考のリバウンド」と呼ばれています。
眼前のストレスや否定的な感情を
抑え込み、見ないように、潜在意識へと
瞬間的に閉じ込めたとしても、
それは夢で顕在化されやすくなり、
更にメンタルの状況が悪化する。
睡眠前の思考抑制が、
夢のリバウンドにつながるって研究。
否定的な感情が出てきても、
急いでタンスの奥にしまいこもうとしない。
受け入れること。
どのように自分が今感じているかを
自分が知ること。
モヤモヤした、形のない、
嫌な感情や気分には名前を付けること。
感情を言葉にしてラべリングすること。
悲しい時は、「悲しい」という名前、
怒っている時は「怒り」など。
感情という目に見えない、よく分からないものに名前を
付けることで、それはコントロール可能なものであり、
その感情下にいる自分を客観的に把握することができ、
ネガティブな気分を軽減できると研究結果で分かっています。
脳科学では「『怒り』という言葉を付けるなど
感情を言葉にすると、前頭前野が活性化され、
扁桃体の反応が低下させる」とリーバーマン博士は示唆。
2007年のカリフォルニア大学ロサンゼルス校
感じている感情と戦うのではなく、
ラベルを付けることで、その感情を受け入れ、
認めることで、
次に前進するのに役立ちます。
穏やかな好奇心を 持って考えに注意し、
1語でまとめます。
「これは恐れです」「心配です」「怒りです」
「望んでいる」、「計画している」、
「抵抗している」、「覚えている」など。
客観的にこれらを目撃しているだけです。
分析や判断したりしない。
雷雲が通過しているのを窓越しから
傍観しているように。
通り過ぎさせる。
考えに抵抗したり、抑圧したりせず、
只今、頭上に雷雲が存在している事実を
把握しているということは、
その存在を軽く認めていることにもなる。
そしてそれが通り過ぎることができて、
承認される。受け入れ可。
通行許可が出て、次へ進むためのチケットが
発行されたような感じ。
優しい内なる声を使って、
ラベリングのトーンにも注目してみること。
他にも、感情を閉じ込めるのではなく、
自分の考えや感情を受け入れられる方法として
・ジャーナリング(感情の日記)
今の感情を書きなぐる。
思いついた感情を書いていく。
不要な思考、ジャンクな思考を
どんどん出していく。
脳内フィルターの洗浄。
何も思いつかない場合は、
「今日はなんも出ないわ。まー別にいいか」と書いていく。
それでも思いつかない場合はずっと
「思いつかないしwまっ、いっか。」と書いていく。
筆を止めないことがコツ。
感情日記はだいたい
20分~30分くらいの時間制限内に書くことが
望ましいと言われています。
そのうち、何か思いつく。
思いつかなくてもいい。誰にも見られないノートに
思いのたけを吐きだしていく。
他にも
・運動
・マインドフルネストレーニング(瞑想&呼吸の整え)
これらだけでも、
否定的な感情もひっくるめて自分だと
承認しやくすくもなり、コントロールもしやすくなり、
否定的な感情から一歩距離をとり、
感情と肉体との間、スペース、余白が作られ、
より自分のことを明確に、多角的に、
見ることができるようになる。
それがより早く回復への道に、
軌道にのせていくことにも繋がるってことで。
おあとがよろしいようで。
今日はここまで。
おしまい。