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2021/03/29 14:00




人は誰しも、大なり小なり
1度は嘘をついたことがあると思う。

でも次第に年齢を重ねるごとに、
大人になるにつれ、嘘は良くない事であると
学んでいく。

嘘も方便という言葉もありますが、
基本的には、よほどの事情がない限り、
嘘は良くないことであるというのは
世界共通の認識であります。

でもなかには、この嘘をつくことが、
日常的、習慣的に、中毒的に
なってしまっている人がいるのも事実です。

強迫的、病的に嘘をついてしまう。
虚言癖です。

簡単にこの習慣から抜けられません。

自分で嘘をついていることに
気付かないことさえもあります

真実を話すことに、
非常にネガティブな感情をもってしまうことから、

その困難と不快感な感情を避けようとする思考回路が
どんどん強固になっていき、

快適で安全に感じるようになるので、
嘘はどんどん中毒化していきます。
真実を話すことが恐ろしくなる。

嘘にも色々なタイプの嘘があります。

人を騙して、詐取、詐欺など
金銭を奪うなど犯罪目的の嘘もあれば、

相手のプライドや自信を傷つけないようにあえて
情報を控える嘘など。

これらは真実ではないということを
本人も理解していて、意図的に、意識的に
嘘をついていますが、

しかし、今日ここで伝えている虚言癖という
病的な嘘は、

非常に衝動的であり、上記のような
悪意はなく、故意で他人を騙すような意図はなく、
そして意識せずについてしまう嘘のパターンです。

自分で自分に嘘をついていて、
自分でもそれを嘘だと気づいていない。

それは真実を話すよりも
快適で普通に感じます。

何の利益にもならない嘘です。

虚言壁の特徴として、
よく見受けられるものとして、

自分を良くみられようと、
空想上、想像上の素晴らしい人生の
ストーリーを築いてきたと雄弁に語ります。

自分をヒーローとして、または逆に
悪かった人物のストーリー。

これは心理学では
pseudologia phantasica(プソイドロギア・ファンタスティカ)
と呼ばれています。

自分を実際以上に見せるために、
願望による妄想を事実であるかのように
話してしまいます。

希望的観測。現実との歪み。
それが本物であると信じるようになってしまう。

他にも、

・権力者、有名人、影響力のある人と懇意にしているというエピソード

・エピソードを実際よりも誇張し、話しを盛りまくる癖

・お金を持っている、裕福であるということを証明したがる


他人を欺く、悪意はなく、

自分への注目を集めたい、
「すごい!」って言われたい、
認められたい、良く見られたいという、
あくまで自分本位な願望。

その根底の原因は、様々な要因があると
されていますが、
1つに、幼い頃にあると言われています。

幼い頃、正直な感情、真実を伝えたことで、
それは間違っていると自分を否定され続けた環境、

真実を話すことにメリットがないと思う環境で
育ったことや、虐待を受けていたりなど。

感じたい感情を正直に感じることに
善を見いだせず、両親、友人、
回りの顔や気持ちを敏感に汲みとりすぎ、

感情を押し殺して生きてきた時、
習慣的に嘘をつく可能性があると言われています。

本当の自分は、能力が不足していて、
戦闘力が弱く、コンプレックスも複数あり、
自分は十分ではないと深く信念レベルで信じていて、

そんなバカでザコな
能力のない自分を知られたら、

回りに避けられ、拒否され、拒絶され、
変な目で見られてバカにされるんじゃないか、

愛している人から
受け入れてもらえないんじゃないか

人に拒絶されることを恐れ、不安になり、
自分に自信がなくなり、

だから嘘をつく必要があると感じてしまう
という傾向もある。


アラバマ大学ティム・レヴィン博士による研究によると
13〜17歳の人々の59%が1日に1〜5回嘘をつき、
15%が1日に5回以上嘘をついている。

18〜44歳では、回答者の45%が1日に1〜5回嘘をつき、
9%が1日に5回以上嘘をつくという研究がある。


今、インターネット、とくにSNSによって、
自分の写真を加工し、自分を取り繕い、
バーチャルな世界に逃げ込み、

虚言、虚像で塗りかため、
物語を作りあげていく。

これら嘘がつきやすい環境が整い、

自尊心が傷つかぬように嘘の鎧を
身にまとう人が増えてきていて、

世界のメンタルヘルス業界の
お偉いさん方々も警告しています。

厳しい現実に直面すると、直視できずに、
その現実から逃げてしまう。

真実から身を隠すことに慣れてしまう。

不快を避けることができる安全な
避難場所のように思えてくる。

回避することにクセがつき、
習慣化してしまう可能性が高まるということ。

また虚言癖には、自分を飾り、
自己陶酔的な性格を持つ人が多く、

他人へ共感する力が
非常に弱いという特徴も1つあるようです。

つまり嘘をつくことに、
相手の気持ちを考えない。

他人の気持ちを考慮しない。

そして相手はその誤解のまま進行していき、
それによって相手がどのような被害を被るか、

他人がどうなろうかは考えられない性格、
つまり知ったこっちゃないということです。


そこで、中毒的に嘘をついてしまう、
上記のような虚言癖をコントロールするための
ヒントとして



1)自分に正直になること



嘘をつくことに限らず、
依存症や中毒症状がある場合というのは、

人はあらゆる方法と言い訳で、
自分を裏切り、自分に嘘をついてしまいます。

自分がやろうと約束したことを
遂行することができない、約束を果たせないという
事実を隠す方法として、嘘をつきます。

他人に正直になるためには
まずは自分に正直になること。

自分ができることについて正直になり、
自分の現状の能力に見合った目標を立て、

小さく達成していき、
限界押し上げていく前向きな努力をしていれば、
嘘をつく必要はありません。


2)否定的な自分を認めてあげる



息をするかのように嘘をつく。

必要以上に理想化された、願望イメージの自分を
演じる根底には、

自分の能力不足に感じてしまう劣等感、
恥、罪悪感、恐れ、不安、トラウマなど
その他の否定的な性格特性が背景にあることが多い。

だから、まずは自分で自分のことを認めてあげること。
承認してあげることが大事になってくる。

自分のことを否定している限り、
嘘をついてしまいます。


「傷つけてごめんね」、
「自分が思っているよりひどくないから大丈夫だよ」、
「人間だもの。間違いを犯すことあるよ」、
「何を感じても、自分は自分だから大丈夫だよ」


優しいトーンで、自分を慰め、思いやりをもって
自分を認めてあげること、

無条件に感情に心を開くことが重要になってくる。

自分が一番の味方になってあげなくて
一体、誰が味方になってくれるのかということ。

恥に抗うことなく、恥を受け入れ、承認し、
心を開き始める勇気をもつこと。

オープンマインド、オープンハート。


3)結果を考慮すること




前述した通り、虚言癖の人は、
相手への共感する力が非常に
低下してしまっている状態です。

衝動的な嘘によって、
遅かれ早かれ、その嘘は暴露され、広まり、
相手の信頼、友情を失います。

短期的に現実から逃げられても、
長期的には役に立ちません。

人としての信頼を失い、他人からは
真剣に受け止めてもらえません。
そういうリスクをはらんでいるいるということを
認識すること。

嘘をつきたいという衝動を感じ始めたら、
立ち止まって少し考えてみる。

あなたが嘘をついていることを、
相手が知っていたら、
あなたについてどう思うか考えてみること。

人がいつもあなたに嘘をついていたら
どう感じるか考えてみること。

そして、一見不安、恐怖に思いますが、
真実を語ること。

真実を話せば話すほど、真実を語るほうが
ラクにそしてそれは習慣化し、
簡単になってくるから。

少しずつ、小さな真実を話し始めるようにする。

1日に自分自身について3つの本当の
ことを人に伝える訓練をするなども1つ。


また嘘をつきそうになった時、
真実を話すことにした場合、
「起こり得る最悪の事態は何か」を自問すること。

逃げるのではなく、戦うことに意識と
エネルギーを向けます。

自分の感情に耳を傾け、
感情を処理して、次へ向こうこと。


4)ジャーナリング



嘘をつくとき、なぜ嘘をつくのか?その理由を
考え、自問し、ノートに書き留めます。

嘘が「どこからともなく来た」ように感じた時、
その嘘をついた背後にある核心は何だったのか?

他人に高く評価されたいから?
コンプレックスが恥ずかしい?
愛されたいから?
興奮したいから?


どういうニーズが隠れているのか。
深堀して探求する。

次に、正直さと名誉をもって、
感情的なニーズを満たすのに役立つ、
代替の、より前向きな選択を検討すること。


5)コアバリューの設定



自分の大事なこと、価値観、信念。

この人生において、これは自分は大事だって思える
その価値観や信念は、コンパスのようなもの。

その価値観に基づき、
人生を向上させる目標を設定する。
そして具体的なアクションプランを立てていく。

他人は他人。他人と比較せず、
自分が本当に誇りに思うものは何か。

そこに焦点を合わせて、全力で取り組めれば、
嘘や大げさな盛り話しは、あなたには
もう必要がないことが分かる。

設定の仕方については下記過去記事で
詳細を記載していますので、良かったら
参考にしてみてください。

■自分のコアバリューに沿って歩んでいく



いかがでしたか?

虚言癖。大きく見せようと、
悪ぶったり、ヒーローぶったりを
アピールしすぎてしまうこと、自分で自分に嘘をつき、
それを自分で信じてしまっていること。

理想化された願望の姿、強いあこがれ。

日常の、今の自分の影、闇の部分とで
ギャップ感が、強く浮き出てしまい、

そんな劣等感や否定的な感情が、
無意識レベルで自分を更に隠すように、
注目を浴びたいと嘘をついてしまう。

嘘でもなんでも、習慣化された思考は、
そう簡単には変化することはできない。

でも、変えるほどの価値は大いにある。


おあとがよろしいようで。
今日はここまで。
おしまい。





Good virtues グッドバーチューズ