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2021/07/14 14:00
「もうどうすることもできない・・・」
「辛い・・・」
「どん底・・・」
肉体的であれ感情的であれ、
人生で誰しもが経験する痛みや苦痛。
行き詰まり感、制御不能な状態。
もうどうしようもない状態。
ショックすぎて現実として受け止められないなど。
ラジカルアクセプタンス:「根本的な受容」
という心理学の用語があります。
ラジカルアクセプタンスとは、
自分のコントロールの及ばない状況を判断せずに
受け入れる能力で、
それによって引き起こされる
苦痛が軽減されるという意味。
大抵の人は、痛みを経験した際に
無視または拒否します。
見ないように逃避し
心の奥底にしまい込みます。
もしくは不健康な中毒や依存性のある
行動習慣(過剰なアルコール、暴飲暴食、
ゲーム、ギャンブル、買い物など)に走ってしまいます。
現実を受け入れられないことによって、
痛みは苦しみに変わり、
それは継続的で
慢性的な苦痛を引き起こします。
この痛みや苦しみを鎮静化させ、
克服するには、
現実を受け入れ、辛い過去に
執着するのではなく、
痛みに正面から向き合うしかなく、
先伸ばしにしたとして、
いつかは向き合う必要と、
その時がくるということ。
もちろんズタボロになっている最中は
冷静な判断もつかないので、
しっかりと時間を置き、回復させ、
気力と体力がもどったら、
また問題と向き合い、取り掛かるっていう意味で
一時避難は大切。
いずれしても、
最終的には向き合う時がくる。
向き合い、現実を受け入れることで、
苦しみを克服できる。
根本的な受容は、
自分の考えや感情を監視して、
必要以上に気分が悪くなっていることを
特定するということも含まれ、
不快なこと、思い通りにいかないこと、
悲しいこと、失望などに
自動応答し、衝動的な感情に振り回され、
自己破滅的な行動や苦しみのサイクルに
閉じ込められ続けたりせず、
痛みを引き起こす出来事や
状況の原因を調べることで、
痛みが生じたとしても
感情的にならず、落ち着き、
感情が管理され、
思慮深く、論理的な思考へと
移行することが含まれます。
現実との戦いをやめる。
(白旗を上げて負けを認めるという感覚ではなく)
現実を受け入れる。
現実によって生まれる負の感情に
巻き込まれない。
感情的な部分を取り除いた後の
思慮深い行動。
事実の理解。
根本的な受容スキルというのは
元々は弁証法的行動療法(またはDBT)として
境界性人格障害のある患者へ
作成されたケアの一種らしく、
苦痛への耐性スキルが
向上するということで、
今ではうつ病、摂食障害、
メンタルケアにも役立つとされています。
悲しみ、苦痛を受け入れ、
困難な時期を乗り越えるのは
簡単ではない。
でも、それら放置し、
ネガティブな感情に振り回され、
衝動的に自分を痛めつけ、自己嫌悪や
罪悪悪にさいなまれるのはもったいない。
根本的な受容スキルは、訓練次第で、
向上することがわかっている。
簡単ではないけど、
取り組む価値は大いにあるということ。
このスキルが大きく必要とされる
場面というのは、
自分ではコントロール不可能な状況に
陥った時。
倒産、失業、近親者の死別、
地震や台風などの災害、
人生のプランに予想外のことが起こった時など
この状況や事実は、
自分の力では変えられない。
他にも、根本的な受容スキルは
こんな時に必要とされる。
・コントロールできないトラウマ的な出来事を経験した時
・子供の頃にトラウマ的な育成やネグレクトや虐待があった場合
・ネガティブな出来事によって先に進むことができないと感じた場合
・状況の改善が見込めない場合
これらは自分の力だけでは
どうしようもないし、変えられない。
でも唯一、自分でコントロールすることが
できることというのは、
この状況を、”どのように見るか”ということは
自分で選択ができるということ。
現実を受け入れられない時というのは、
下記のような時。
「なんで私だけ」
「いつも私だけ」
「不公平だ」
「なぜ私に起こっているの?」
「こういう時に限って」
このように、受け入れたくないという感情は、
何も悪いことではなく、
間違いではなく、人として当然なこと。
現実と戦っていることを
観察してください。
戦ってるなーっていう兆候を感じます。
そして、
不快な現実を変えることは
できないんだということを忘れない。
事実は事実なんだということを理解し、
現実を把握し、直視すること。
感情に振り回され、感情に
乗っ取られた操り人形ではない。
状況を制御する必要性を手放すことを、
自分に許可を出すこと。
そして、制御不能に感じている時、
・呼吸を整える
・瞑想をする
・自己思いやり(セルフコンパッション)
■ネガティブセルフトークを自己思いやりに変える
そして、
・もし起こったことを受け入れることができた場合、
どんな良い状態になっているか考えます。
・なぜ、受け入れられないのか。原因を考える。
・受け入れられないことを考えている最中の
緊張やストレスなど、体全体の身体的感覚に注意します。
そして、そのときの悲しみ、
失望などの感情を受け入れます。
・痛みがあるときでさえも、
良い瞬間は必ずあり、「人生は生きる価値がある」ということを
認めること。
・良い方向へ向かうための、
具体的なアクションプランを練る。
次、自分は何をどうするべきかを考える。
「次にとるべきアクションは?」と自問する
「解決策を探す」という次のステージへと焦点を移す。
自分がコントロールできるものについてのみ
注意を向ける。
そして次にとるべきアクションは何かに集中する。
・「あの時こうしたら良かった/しなきゃよかった」
という過去の後悔や過去への執着に囚われ、
考え続けるのはやめにする。
過去に起こったしまった事実を
変えることはできない。
現実、事実を把握し、理解し、
今、この瞬間を受け入れること。
自分の悲しみや苦しみと、
それを処理する最良の方法に
焦点を合わせること。
ただし、現状、虐待されていたり、
いじめられていたり、悪く利用されていたり、
良いように使われていたり、
怖くて動くことをしないなどの時は、
どんどん悪い状況、不利な立場に
なってしまうので、
今の状況が変わるよう、抗い、
受け入れではなく、動くことを優先すること。
最初のころは、人生に痛みや苦しみを
引き起こす状況に対処するのは
簡単ではないけど、
感情を認める準備をし、
根本的な受容を実践すると、
最終的には、気分が良くなりはじめ、
不安感も減り、
次への1歩を進むことにも繋がるから。
おあとがよろしいようで。
今日はここまで。
おしまい。