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2023/02/17 14:00




「なんでだろう。なぜか毎日が満たされない・・・」
「なんでだろう。この空虚感・・・」

こんなふうに思ったことはありますか?

何をやっても満たされない。
何か心が空っぽのような感覚。


意外とそれは「感情的な剥奪」ってのが
根本の原因にあるのかも。


感情的な剥奪って何?


幼少期に、母や父から感情を無視されたり、
自分の意見を聞いてもらえなかったり、

共感されることが不足していたり、
認められなかったり、

両親から真に理解されない
感情的なネグレクト状態のこと。

今の感情を素直に感じる、
素直に感じてもいいんだという
とても大切なことが奪われている状態。


それによりストレス、不安、怒り、
不満が募り、また愛情を感じられない日々。

本当の自分の感情的なニーズが
満たされていないまま日々送ることで、

それが思考パターン化し、信念化され、

その傷が癒えぬまま大人になり、

成人後になっても何かの拍子にふとした
トリガーで不満感、空虚感、喪失感が襲ってきたり、

コミュニケーション、信頼関係、
人間関係の構築において

不具合が生じる原因になる
可能性もあるってこと。


例え、両親からはおもちゃを色々と与えられ、
食事を作ってもらい、綺麗な服を買ってもらったり、
習い事をさせてもらったりと、
何不自由なく暮らせていたとしても

両親の共感力が非協力的な場合、
それは感情的ネグレクト状態となり、

内的ニーズ、感情が満たされず、
子供にとっては大きな精神的
負担となり、

そのことが成人以後も尾を引く
問題にもなりかねないってこと。


幼少期、自分の素直な
感情を認めてもらえなかったことで、

自分の真のニーズや感情は
表に出せず、抑圧しなきゃと考えてしまう。

それは、どうせ自分は他人から受け入れられず、
拒絶されたり、否定されたり、
無視されたりするから。

そういう不安、心配を回避しようと
引きこもり、他人との交流を避けてしまう。

もしくは逆に過剰に迎合し、
嫌われないように
必死に振る舞おうとする。


この感情的な剥奪によってどのような
兆候が現れるかというと。


・無価値感
”自分には欠陥がある””価値がない存在”と
自分自身に言い聞かせはじめる思考パターン

⇒自己肯定感低下、自尊心低下、
不安感の増大、意欲低下、無能感
不満感、何をやっても無理感



・自己犠牲
相手に気に入られるよう、気分がよくなってもらうよう
相手の顔色を見て行動し、承認を求めるような思考パターン

⇒自分のニーズよりも他人のニーズを最優先。
一見良さそうに見えるが、過剰だと自分はいつまでも満たされない。
他人からの承認こそが自分の価値。自分の自尊心や価値は
相手からの承認によってのみ成り立たせている。


他にも下記は、感情的な剥奪の影響を
受けている可能性がある兆候。

・自分には頼れる人は誰もいないと感じる
・内面、感情、脆弱性を相手にオープンにしない、できない
・自分自身を大切に、感情的にサポートしようしない、できない
・自分の感情的なニーズは誰かによって満たされるとは思っていない
・人生に空虚さを感じるが、それが何であるかはわからない
・相手と感情的に親密になれない、仲が深まりそうになると回避してしまう
・自分を理解しようとしてくれる相手でも冷たくあしらう
・自分の感情やニーズを理解できない
・慰められ、励まされたりすると素直に受け入れられない
・相手に感情的なサポートやフォローが苦手
・感情的に自分を表現できない
・他人からの愛情は期待せず、拒否してしまう 
・自己同情の低さ
・過度の自責と恥



子供は親を選べないですもんね。

幼いころに、深いレベルで愛されていると
感じられることや

自分には価値があり、
重要であると感じさせてくれることが

いかにその人の、その後の人生において
大事になってくるのかが分かります。


人生が空っぽな空虚感に苛まれ、
喪失感、孤独感でいっぱいになってしまう理由が
分からずに、モヤモヤしていた方。

そう、実は、根本に、
この感情的な剥奪の影響を
受けていたなんて可能性も
ゼロではないわけで。


では、この影響にうまく対処するには
どうしたらいいか。
自己を制限している信念は何なのかを知る。


1)認識する



まずはこの状況であるということを
認識することから全てがはじまる。

幼少期に心の共感、愛、真の理解が得られずに、
長らく孤独に生きてきた人は
自分がこの状況下にいることは知りません。

だからまずは自分の状況を認識し、
素直に、そして、冷静に自分の状況を
見てみること。


2)振り返る



幼少期まで遡る。古傷に塩を塗るかのごとく
ネガティブなイメージのある過去と
向き合うのは勇気がいりますが、
前進する為には必要なステップだということ。

家庭環境を振り返ります。
感情的なニーズに共感されなかった、
理解されなかった、満たれたなかった、
期待したリアクションじゃなかったり、
無視されたと感じたのは、

どのような時、どのような
イベントだったか。

そしてその時、どう思ったのか。
なぜそのように感じたのか。
反応したのか。

紙とペンを用意し、これらを棚卸しする。

これは、事実確認と理解の作業です。

その時の事実と、その時の感情を
客観的に、俯瞰して
理解するためのもの。

親への非難、苛立ちなど
感情的になってしまうのも無理はない。

立ち止まっては、また再び、
事実確認の棚卸をするため
何事もなかったように、
元に戻るようすること。

これはマインドフルネスな
瞑想とも共通する部分ですね。



3)感情的なニーズを理解する



過去の幼なかった
自分に共感してあげる。

その時、本当はどうしてもらいたかったか。
どういう言葉をもらいたかったか。
どう反応してもらいたかったか。

その時のあなたは何が必要だったか。
どういうサポートが必要だったか。

そして「しんどかったよね。もう大丈夫だよ」と
優しいトーンで、自分を抱きしめてあげる。
共感し、承認してあげる。
自分に思いやりという水をあげる。
そしてそっと手放す。

自分の感情を表現してもいい、
素直に感じて表に出していいという
通行許可を出します。


真の理解者の不在により
長らく孤独だった人は、

両親から感情的なニーズを満たされなかった
経験が募ることで、

自分自身だけを頼りにすることに
思考が当然のように慣れていきます。

誰にも頼らずに全ては
1人で生きていくべきという
思考パターンが強くなり、
超自立型となる傾向があります。

もしくは
逆に極度に不安になって相手の顔色ばかり
うかがうようになる。


助けを他人に求めることを嫌い、
そのやり方が分からず、

「助けてほしい」と言うことが
難しいとさえ感じてしまいます。

もちろんプラス面はあるのだけど、

本当につらい時や八方ふさがりな時でも
一人で全てを抱えてしまいます。

他人に自分の脆弱性を
打ち明けられません。


「それでも乗り越えていくんだ!」と
暑苦しい精神論で諭されても、
無理な人も大勢いるわけで。


そんな時は、必要な時は、
いつでもサポートを呼び、
助けを求めてもいいんだって
ことを認識すること。

そしてあなたを思い、
手を差し伸べてくれる人に
内面の感情をシェアしても
いいんだということを理解すること。


また感情的な剥奪の影響を受けていると
他人から、自分が思っているリアクションを
得られないと、極端に自分の
無価値観を感じたり不安になってしまいがち。

全ての自分のニーズを
叶えてくれることは難しいということ。

ある程度の剥奪はしかたのないことだと
予め許容するための余白を持っておくこと。



4)環境を探す



自分の感情的なニーズを理解、
共感、承認が体験でき、満たされる
暖かいコミュニティーを探す。

その中で友人、パートナー、
信頼のおける人を探し、

はじめは小さくてもいいから
自分の素直な感情的ニーズを
表に出して表現し、依頼していくことを
慣らしていく。

徐々に自分の内面や感じたことを
相手と分かち合っていく。




感情的剥奪の背後には

本当の自分を理解してほしいし、
もっと分かってもらいたい
もっと感情的につながりたいという意識が
後ろに隠れています。



もし自分が感情的な剥奪による影響を
受けていて、否定的な感情や空虚感で
立ち往生していたとしても、
悲観的に、ふてくされる必要はまったくない。


この地球上の他の人と同じように、
自分は愛され、評価され、大切にされるに
値するということ。

内なる自分と向きあって、
自分自身に集中し、
自分の気持ちに十分に注意を払い、

自分を慰め、癒し、

感情的な欠乏の中でも、
よりよく生きるための
目標を立て、

それを前進させるために
今日は何をしたか?

その答えをノートに
書いていき、自信を積み上げ
自尊心を高めていくのも
いいのかも。

少しだけ前向きな習慣を採用し、
日々のほんの少しの進歩を振り返り、
噛みしめ、褒めてあげ、

自分を愛することに
フォーカスする。

あなたには価値がある。


おあとがよろしいようで。
今日はここまで。
おしまい。


Good virtues グッドバーチューズ