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2023/03/05 17:00




あなたは週にどのくらい体を動かしていますか。

これは簡単に答えられるかと思うのですが、

では、「心理状態は健全ですか?」
って質問になると「ん?」って感じになるかと思います。


運動する目的や理由ってのは
人それぞれありますよね。

痩せたい、健康でいたい、汗をかきたい、
かっこいい体になりたい、気分がいいからなど。

でも、その目的や運動したい衝動に駆られている
心理状態が

“現実逃避へのツール“と化してしまっているのなら
少しそれは考えたほうがいいのかも。


研究によると、現実逃避による理由での
運動は、運動依存症に発展するリスクが高まり、
そしてまた生活満足度や幸福度も低下してしまうリスクが高まる
ことが分かっています。

また強迫的な運動は、健康上の問題、不安、
うつ病、摂食障害と関連しているようです


運動依存症ってあまり聞きなれないかと思いますが、
要は、オーバートレーニング。過剰な運動習慣。

強迫観念に駆られ、運動への欲求と衝動が制御不能となります。
時間が空くと禁断症状が現れます。

中毒性のある、依存症の部類に入ります。
体を壊すまでやってしまいます。
壊れても、やってしまいます。
抑えたいのに、やってしまいます。

疲労困憊なのに休む機会を与えません。
距離の短縮、重量の軽減、タイムの遅れ、
筋肉痛のなさに罪悪感を感じます。

医者や身内からやめろと言われても
隠れてやってしまいます。
だからよく身内と自身の運動について衝突します。

他にも

運動のために重要な社交行事に参加しません。
また楽しんでいる他の趣味や活動への興味を失い、
運動する時間が増え孤立します。
運動のみが自分を幸せな気分にしてくれる唯一のものと
強く感じます。

運動依存症がある人は、
その他の中毒性にもかかりやすい性格であることが
分かっています。

アルコール、たばこ、砂糖、ギャンブル、ゲーム、
スマホ、買い物、薬物、カフェイン、性やその類、
過食、拒食など。これらの代替え手段として
ただ過剰に運動をしているだけってことです。

一見、健康的に見えますが、
メンタルは健康とは言い難い。

運動は脳内でエンドルフィンやドーパミンが
ドクドクと放出されます。

これは禁止薬物使用時に分泌されるのと同じ
神経伝達物質です。

脳の報酬系が刺激され、
達成感、快楽、喜びを生み出します。

この分泌が過剰に、そして頻繁を繰り返されると、
脳内はこれらの伝達物質の生産力が落ち、
耐性が出てきて物足りなくなり、

運動をやめると枯渇してくるようになり、
そしてまたやりたくなる。

中毒化してくると、
この神経伝達物質を出すため、
より多くの運動をしなければいけなくなります。

神経伝達物質の興奮を追い求め、
体が壊れるまで求めにいきます。

肉体的にも精神的にも
疲れ果てていきます。


体を動かすことは心身共にメリットが多く、
非常に大切です。

でも何事も行き過ぎは厳禁。

いつも運動をしている人は外見だけ見れば
とても健康そうに見えるのですが、

でもそういう人が必ずしも、心理状態も
健康的だとは限らない。

真実は、目の前の乗り越えられない障害、
解決できない問題、八方ふさがり状態で
立ち往生している状況ってことも。

苦しみ、不安、恐怖と向き合うことから
逃れていることによる結果としての
ボディーメイクなだけであって、

メンタル面が、実は不健康な状態って人、
結構いるってこと。


過剰に運動をしている、
その背後にある動機について、
しっかりと目を向けることが
大切になってきます。


そこで運動と自身の関係を今一度見つめ直し、
もっと楽しく、充実したものにするための方法として


1)運動後の気分を確かめる



運動をした後の気分を確かめてみる。

運動後、気分はどうですか?

運動後、すっきりと、ポジティブに、気分が良くなり、
前向きな気持ち、喜びの気持ちになり、
その後もしばらく精神的にも満たされ、
その日が充実するということなら問題がありません。

運動後、何か後悔を感じていたり、
罪悪感や不安感が顕在化してきてしまったり、
後ろめたい気持ち、不機嫌になったり、
気分が消耗してしまっていると
感じたりすることはありませんか?

「やりたくないのに、やる必要がないのに、休息したいのに、
止められているのに、やっぱりやっちゃった・・・・」

全ての中毒に当てはまります。

強迫的な衝動に駆られて
誤った動機で運動をしていませんか?

目の前の大事な問題や容易に解決できない状態から
逃げている理由としてのエクセサイズになっていませんか?

運動に“依存“していませんか?

何かに依存している場合、もしその機会を
奪われてしまった場合、

ひどく動揺し、落ち込み、不安感や
罪悪感が高まってしまいます。


2)気晴らし



人生が何をやってもうまくいかない時、
立ち往生している時、自尊心は低下しています。

そんな時、運動というのは、やったらやった分、
正直に、数字や結果が出て分かりやすく、

自分の存在価値や自信にも繋がったり
自分へのコントロール感が出てきます。


それに強く喜びを感じ、眼前のイベントが厳しいほど、
そこから逃げて、コントロールができるセーフティーゾーンへ逃げ込み、
快楽が強くなっていく。
快楽への思考パターンはそう簡単には断ち切れない。

これが行き過ぎてしまうと、
全ての最優先で運動を選び、
運動こそが唯一自分の自尊心を保つ手段という
考えが益々強くなってきます。

運動への欲求をコントロールする。

過剰運動の背後にある理由やその感情はどういうものか。

不安、心配、恐怖、自尊心の低下、
無能力感・・・・
これらは中毒症状に足を踏み入れてしまうことが多いことから


これら気晴らしをするための別オプションを
新しく導入してみる。

・瞑想
・映画を見る
・読書
・楽器
・芸術事
・料理

などなど、強い欲求の内なる雑音を沈める。
そして、新しいことに挑戦する。
どんなことでもいい。
小さく、小さく達成していき、繰り返し、積み上げ
自信や自尊心を取り戻していく。

・毎朝ベッドメイキングする
・瞑想を1分だけする
・サプリを毎日飲む
・飲食店でいつもと違うメニューを頼む
・違うルートで帰宅

モチベーションを維持し、
楽しいものにできるよう工夫すること。


3)比較しない



他人と比較しない。特にSNSで他人との
比較が起こりやすい。

スタイルが良いパーフェクトな体形をした写真が
どんどん表示される。

これに反応して「どうせ自分なんて・・・」と卑下する必要はない。
また自分の体形を醜く思う必要はない。

あくまで運動は自分事であるということ。

他人から良く見られようとして
過度に危険な期待に応えようと
自分を犠牲にする必要はありません。


4)制限する



当たり前ですが、ジムに行く回数、時間を制限する。
運動の頻度、量を減らす。休息日を作る。

既に中毒化している場合は難しいかもしれませんが、
休息することで罪悪感を感じる必要はないということ。
体を壊してまでやるものではないから。

自分は怠け者で、まだまだ運動が足りていないと
自分に厳しく、ネガティブに思う必要もない。

トータルで運動している時間が多ければ
それでOKなゲームだとすること。



いかがでしたか。

運動中毒に関わらず、
何事も中毒化している依存性のあるものの中断って
難しいですよね。

その中毒化している背後にあるネガティブな
心理状態に焦点を当ててみる。

その根本的な部分を癒し、共感し、
自分自身に厳しい言葉で罵倒せず、
自己肯定感を下げ、自分の心に鞭(むち)をうちつけず、

自己に思いやりをもって接してあげる。
自尊心を高めて、自信を取り戻す作業をしてあげること。

自分に思いやりを感じる方法は
愛する人が傷ついていると想像する。

・あなたの愛する存在の相手に何と言いますか?
・愛する存在の相手をどのように扱いますか?
・どのように愛する存在の相手を安心させますか?
・どのように愛する存在の相手を世話をし、相手は
愛されていると感じてもらうことができますか?

参考にしてみてください。




おあとがよろしいようで。
今日はここまで。
おしまい。


Good virtues グッドバーチューズ