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2023/06/16 16:43




あなたは過去を時折思い出しますか?

過去を思い出すことが、あなたの今後の人生に
ポジティブな影響を与えてくれるかもしれません。

「え?でも過去に囚われるな」「過去は振り返るな」って
周りからよく言われるよ?って感じですよね。


それは過去の後悔が原因で今をうまく
生きれていない時に使われますよね。

例えば過去の後悔。くよくよしても
その日には戻れない。もう後悔しないように
チャレンジし再構築する。
今に集中する。ってやつです。

良い記憶やポジティブな記憶についてさえも、
過去の栄光にすがるのはよくないとそれを
処理してしまう人もいるかと。

もちろん過去の栄光に固執しすぎて、
今をないがしろにしたり、今が満たされなくなっていては
意味がありません。


過去を思い出すこと自体は
何も悪いことではありません。

ようは、過去の記憶によって、
過去に執着しすぎて

今の生活に不満や不安が起きて
今、この瞬間をしっかり地に足をつけて
生きれていないってことが問題だってことで。


レミニセンスセラピー(回想療法)ってのがあります。

精神科医のロバート・バトラー博士によって
1960年代に初めて提案されました。

この回想療法とは、
自分の過去を思い出し、それについて話し、
共有することで、自尊心を高め、充足感が得られる、
そして愛する人達を再び繋げる
心理療法の1つです。


過去を思い出すことで、
良い記憶、ネガティブな記憶に関わらず

その当時のイベント、人、場所を
脳、神経、感覚をフルに使います。

視覚、触覚、味覚、嗅覚、音、
すべての感覚を総動員します。

なので、高齢者、認知症の人、アルツハイマー病、
パーキンソン病、脳に関係している病気の人に効果的とされ、

またうつ、不安障害、引きこもりなど
メンタルケアとしても利用されています。


■回想療法の利点

・認知力の改善
・認知症患者の幸福と行動を改善する
・介護者と愛する人との親密な時間を作ります
・介護者のストレスを軽減
・うつ病や不安の軽減
・自尊心、自信、目的、アイデンティティの感情を生み出す
・孤立を減らして社会化を促進


脳の認知機能が低下してきた高齢者にとって
徐々になくなっていく記憶。愛する人達を忘れていく悲しみ。

年齢と共にできなくなっていくことが
増えていく苛立ちや不安。

科学の進歩に取り残され、
無能感を抱きがちになり、

自信や自尊心の低下、社会からの疎外感、
孤独感、アイデンティティーの喪失。

記憶の引き出しを開けていくことで
認知症の人が自分の歴史を思い出すのを
助けるのと同時に

自分が会得してきたこれまでの知恵、スキル、経験を
再確認ができます。

その価値たるやプライスレスです。

過去を思い出し、記憶をたどり、
懐かしみ、自分の物語をシェアする。

かつての自分を思い出す。

そして自分のヒストリーや意見を聞いてもらう。

それによって自分は大切にされていると感じ、
また自分への価値を再び感じることもできる。

回想療法の目標は、脳の認知機能を
活性化させる、記憶を助けることだけが
目的なのではなく、

会話に参加させて孤立化を防ぎ、
社会的交流を促進したり、

愛する人達との絆を深めたり、

不安やうつなど気分を改善し、
自尊心や自己肯定感を高めることです。


ちなみに認知障害のない高齢者においても
このケアに効果的であり、

下記の研究では、

「認知障害がない高齢者の孤独や不安を軽減しながら、
うつ病の症状や生活満足度を軽減し、
自尊心を高めるための価値のある介入です」と
示唆されています。


このように過去の記憶を回想することは、
脳、はたまたメンタルに
たくさんのメリットがあることが
知られています。


もし現状ネガティブな気分や孤独を感じる時、
人生の意味を見出せない時、
立ち往生してしまっている時は、

過去に退行し、自分の物語の記憶を辿り、

脳の奥底へしまわれていた記憶を刺激する。

そうすることで、

自分の価値を再認識し、意味のある人生だと気付き、

不安が和らぎ、心が落ち着いて、気分が高まり、

より前向きな感情を
抱けるようになるかもしれない。


そこで、過去の記憶を辿りやすくするため、


◆過去の良い思い出に焦点を

まず、記憶を辿る時はなるべく
良い、楽しかった、キラキラした思い出を懐かしみ、
そこへ焦点を合わせること。

過去の回想をうまく利用し、
現状に、その気持ちを活かしてみることで

気分が改善され、エネルギーが
再活性化するだけではなく、

新しい自分を再発見したり、
もしかしたら何か現状を打破する
ヒントが過去を辿ることで見つかるケースもある。

また他にも人よりも簡単に、上手く、早くできたこと、
一番になったこと、褒めれたこと、
得意だったこと、好きだったこと、成功したこと、
ピンチを乗り越えたことなどに焦点を合わせること。


◆関連ツールを使う



・写真

昔の懐かしい写真は過去を振り返るには
とても効果的。

幼少期の自分、学生の頃の自分、
友人、家族、場所、イベント、旅行、景色、趣味なんでもいい。

これらはどういうものだったのか。
その時の役割はどうだったのか。

記憶やアイデンティティの感覚を呼び起こします。

インスピレーションや創造性も
刺激されます。

記憶を辿り、自分の能力に自信を持つ。

また、自分にとってどういう意味があったのか、
その当時の心境はどうだったか、

その時は見えなかったけど、
その真意や核心は何だったのかなど、

今だからこそ分かることや
新たな発見や今でこその解釈で
大きなヒントとなることも。


・歌や映画

なぜあれほど延々とリピートしていたのか
不思議なくらいの曲が1つや2つはあるはず。

昔好きだった音楽を久々に聞いてみる。

はたまた大好きになった昔の映画を見てみる。


曲や映像と関連してその時の状況、誰といたか、
何をしていたか、何を感じ、どう過ごし、
どんな心境だったか。それら全てが思い出です。


・思い出の地

過去のストーリーを聖地巡礼する。
原点とも言える場所、大きな転換点を迎えた場所、
一大決心や人生の覚悟を決めた場所、人生を変えた場所、
その後の人生に強く影響を与えている場所、救われた場所、
一生懸命だった場所など

その時があって今があると言える場所。
巡礼をし、その当時を懐かしみ、その当時を味わいます。


・トロフィー、賞状、メダル、景品、証明書など

大事な戦利品です。
ついつい過去の栄光とばかりに
処分しがちですが、とても分かりやすく
成功体験を視覚化できるものです。

これらを定期的に見て
当時の記憶を辿ることは、
メンタルケアという点において
とても大事だとされています。

自分なりの成功体験リストを作り
それを元気がない時や不安な時に見返すことで
緊張がほぐれ、自尊心や自己肯定感を高め、
ポジティブな感情が湧いてきます。



過去の記憶を辿ることは、
決して悪いことではない。

問題は、過去にいつまでも
執着しすぎていて、
「今」を十分に生きれていないということ。

しっかり過去記憶を応用し、
活用できれば、むしろ脳、メンタル、
幸福感、人生においてプラスに働きます。


時にはリラックスし、過去を回想し、
自分という存在を俯瞰してみる。

これらを思い出を1つのBOXに入れて保管し
定期的に見てみるのもよし。

楽しかった思い出の記憶を辿るのは
楽しいものです。

あなたには価値がある。

おあとがよろしいようで。
今日はここまで。
おしまい。

Good virtues グッドバーチューズ