Blog

2023/06/30 14:00



あなたは、人から笑われることにおいて
耐性はあるほうですか?

能動的に相手を笑かしにかかって、
笑ってもらうことにおいては
多くの人は問題ないと思います。

でも、これはどうでしょう。

一生懸命やって笑われること。


問題ないよって人もいるかと思うのですが、
みんながみんな、そういうわけではなく

どうしてもそれが苦手な人ってのも
一定数います。

何も問題ないって人にとって、

「は?何が問題なの?」
「そんなの気にするほど暇じゃねーから」
って感じなのでしょうが・・・

とにかく動け!系の人には
「やった結果それが失敗しようが、
笑われようがそんなの気にすんな。とにかくやれ」と・・・

笑われるってことにおいて
うまく処理できない人にとっては
恐怖でしかないわけで・・・


ジェロトフォビアという心理学用語あります。

ジェロトフォビアのジェロトの部分を
英語では、gelotoと書きます。

これはgelos:ゲロスという
ギリシャ語から来ていて、

ギリシャ語では、「笑い」を意味します。

つまり、他人から笑われることに対する
過度な恐怖心ということ。

対人恐怖症の一種であり
心理障害とされています。

他人からいじられたり、笑われたり、
嘲笑されたりすることを過度に怯え、
怖がってしまう心理状態です。

「恥ずかしいし、馬鹿にされて嘲笑されたどうしよう、
怖いよ、不安だよ、傷つきたくないよ、
もう嫌だよ、逃げたいよ」

このように、笑いの的(まと)になることに
不快を超えて、恐怖心がつきまといます。

心拍が早くなり、汗をかき、筋肉が緊張し、
ストレスが蓄積し、過度な不安が一気に襲ってきて、
押し潰されてしまいます。


また、これらの人は、笑いに敏感で、

相手からのユーモア、ジョーク、
いじり、自分が冗談のネタに
されることはもちろん、

何の関係もない見知らぬ人の
笑い声が聞こえた時でさえも

それが自分に向けた批判、軽蔑、嘲笑、
攻撃と捉えがちになるとされ、
それを聞くと強く不安感が増し、
恐怖心を感じます。


万事、こんな感じだから、

・人との付き合い、コミュニケーションが
難しくなり、とても疲れるので
社交性が失せていき、孤独や社会的引きこもり、鬱の引き金に

・聞こえる笑いが、自分への否定的な
悪意のある個人攻撃と誤解してしまうので、
他人と一緒にオフィスで仕事をするのが
難しくなります。

・笑われてしまいそうな状況、
笑いの標的になるような状況を回避します。

・チャレンジを避け、間違いを
犯すかもしれない行動を避けてしまいます。

・笑われるようなことをほとんど
話したりしたりしない、一日のほとんどは無表情です。

・本当の自分を開示すると笑われ、馬鹿にされ
逃げられるのではないかと強い不安に駆られる

・他人からの拒否、拒絶に対する過敏さ

・他人へ素直に助けを求めたり、自分の弱み、悩みを共有できない

・公の場、人がいる場において発言できない。
強すぎる注目を浴びるのに強い不安感

・恥や笑われる恐怖から他人と親密になるのを避けたり、
壁をつくってしまう

・自尊心、自己肯定感が著しく低く、
生活や仕事の満足度が低い


この心理状態、心理障害のことを
そもそも理解、認識していないと、

これまた前回記事でもあるよう
とにかく秒で動け!の”行動ハラ”として
単に相手を追い詰めてしまうだけになるわけで。


もしあなたが、なにか行動しようした際、
頭では理解しているけど不合理な恐怖心で
強く抑制されてしまったり、
膠着状態になってしまうと悩んでいるって場合は、

この”笑われる恐怖心”というものが、
マインドをブロックしている可能性が
あるのかも。


この笑われることへの恐怖である
ジェロトフォビアの原因として、


・過去に頻繁ないじめ、からかいで
笑われたことにより心に傷が深くつき、まだ癒えきっていない

・自分や相手の失敗や行為を嘲笑するような、
家庭環境、友人環境だった。他人を笑う喜びのある人は、
いざ、自分が行動する際も
「自分もこのようにネタにして笑われるのではないか」と
恥や不安を敏感に感じるようになる。


これらが大きいとされています。

過去のトラウマや、失敗しても修復・回復は
いつでも可であるという親子間のフォローや
絆の欠如っていうのは、

これらが例え人生前半での一コマであれ、

その人の、後の性格、仕事、社会的関係性に
まで影響し、

はたまたそれは、その人のその後の人生にまで
強く影響を及ぼしてしまう。


でも、もう過去には戻れない。

ではどうすればいいのか。


1)他人の視点を持つ

人前、他人から笑われる強い恐怖や恥、
不安というのは、

自分へのスポットライトが
非常に強く当たっているように感じ、

恥ずかしい状況を考えると苦痛や恐怖に感じます。

自分にばかり目がいき、
過剰に自分を意識すぎてしまっていることで
これらに過敏になっている。

いざ自分のことになるとよく分からないのに
同じ境遇にいる友人だと、なぜか良い方法や
良い具体案など適切な良いアドバイスが
浮かんだりすることがあるように、

自分を第三者として俯瞰する視点、
客観的視点、他人からの視点、
傍観者の視点を採用するように、

自分に向きすぎている視点を
切り替えられれば、少しは冷静になれる。

失敗したり間違ったりして
恥ずかしい状況や笑われるような状況を考えた際、

その失敗している行為者ではなく
観察者としての視点をとるようにすると
自意識が低下する。

あなた自身が舞台に立っている俳優や歌手などの
プレイヤー、行為者ではなく、観客であるということ。

自分との距離をとってあげて、

一歩下がって、自分の恐怖を
通常よりも冷静に分析する。

また例え失敗したとしても、
自分が想定している最悪の事態ほどの
ことは起きず、

意外に人は、行為者に対して優しく、
離れず、共感してくれ、穏やかで、
親切であり、そもそも気にしていないということ。

つまり、彼らはあなたが想定するほど厳しく
あなたを判断していないということを
忘れてはいけない。


2)完璧を期待しない

私達はみな人間であり、完璧な人はいないし、
自分の全てを愛することは難しい。

間違い、失敗、欠点は付き物であるということ。

自分の能力に必要以上に期待しないこと。

自分は失敗してはいけないと強く感じることや
完璧さに捕らわれないこと。

自分の欠点を受け入れてあげること。
ありのままの自分を受け入れてあげること。

人は他人から好かれたい、良く思われたいと
思ってしまいがちですが、
全員に好かれることは不可能です。
なので「みんなに好かれなくても大丈夫。私は私だ」ということを
忘れない。


3)自信を育む

過去や未来に執着せず、今の自分を肯定してあげる。
今の自分を愛し、大切にする。

自分に価値を感じ、自分を大事にしてあげることで
毎日の生活にもっと自信が持てるようになる。

たとえ他人があなたを笑っていると
感じた場合であっても、

あなたの自尊心や自己肯定感の低下を
少しでも軽減できるような対処スキルで、
自分をケアしてあげること。


自尊心の低下を軽減させる
対処スキルとして例えば、


・自己思いやりを持つ

私たちは自分自身へよりも
友人に対して、より思いやりを示す傾向が
あるとされています。

自己批判的がはじまる際は、

親友があなたと同じ状況だとしたらと考えます。
そしてその親友には何と声かけるだろう?と自問します。

きっと優しいトーンで、共感し、
励ましたり、元気づけたり、そばにいてあげたり、
抱きしめたりなどし、

悩んでいる大事な人に、
厳しく罵倒したり、強い批判を繰り返したりは
しないはず。

友人に声かけするそのコメントを
自分自身に向けること。

そうすることで、自己批判による
自尊心の低下を避け、代わりに
自尊心を高めることができます。


・自分の強みをリスト化する

人生のポジティブなこと、得意なこと、
自分の好きなところ、成功したこと、
誇りに思っている業績など、既に達成しているもので、
どれだけ小さく些細なことでもいいからすべて書き留め、
時間がある時に見返すこと。


・自己感謝

毎日、自分のことについて 3 つ
感謝する箇所をノートに記載する。

・人の話をよく聞けるとこ
・声が大きいところ
・友人に新しい友人を紹介するといつも喜ばれる

どれだけ些細なことでもいいので
自己への感謝をリスト化していく。
そしてこれらを時間があるときに読み返す。


・目標を設定する

いくつか目標を立ててみる。
その目標は大きな目標である必要はありません。

小さく立てて、小さくクリアしていき、
小さく成果を出す。

これによって”困難な時であっても、立てた物事を
やり遂げることができるんだ”と認識することができ、
自分の能力に自信が持てるようになる


・他人と比較しない

あなたの自尊心の安定、バランスというのは、
他人がどれだけうまくやっているかに
依存しているものではないということ。

他人と競争しているわけではありません。

他人と比較してしまいやすいものとして
SNSがあります。

もし比較によって、自分の不足に焦点が当たり、
強く不安や妬みが生じてしまうなら、

今すぐSNSを閉じ、
デジタルデトックスをはじめましょう。


4)マインドフルネストレーニング

瞑想、呼吸法は、不安、ストレス、うつ病に
苦しむ人々に、非常に有益とされています。

呼吸を整えることに集中する。

”今、この瞬間”に意識を向けることで
恐怖や不安が和らぎ、それらから解放される。


5)自己開示

信頼のおける人や専門医へ自己の悩みや
不安を話してシェアしていったり、
自虐的ジョーク、ユーモア、
愛のあるいじりなどで、少しづつ、
安全で管理された環境で訓練をする。

少しづつ開示領域を増やしていったり、
開示する相手も広げていく。



いかがでしたか?

このジェロトフォビア。

これで悩んでいるのは
あなただけではありません。

またこの言葉を知ることで、
「どうりで自分は・・・そういうことか」と
合点がいく人もいるかと。

思考にロックがかかったように、
動けずにいたその理由は、

何もあなたが怠惰で、いい加減な
性格ということでは決してなく、

実は”笑われる恐怖心”というものが
行動を制限し、行動しようとするモチベを
低下させていたということが
あるかもしれないってことで。

もし症状が重いな感じたら、
症状がひどくなる前に、クリニックや
専門医に相談してみてください。


おあとがよろしいようで。
今日はここまで
おしまい。

Good virtues グッドバーチューズ