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2022/10/28 14:00
前回の記事では上手に年を重ねる方法として
いくつか言及しました。
今日はその延長にもなるお話。
ケルセチンについて。
皆さん、このケルセチンって聞いたことありますか?
あまり馴染みのない言葉ですよね。
ケルセチンは自然界に存在している抗酸化物質。
つまりは栄養成分。
ビタミンやミネラルの抗酸化作用は
耳タコだけど、
それら成分ほど有名じゃないにも関わらず、
それと同等に非常に大切であり価値あるもの。
老化プロセスの進行と
非常に密接な関係があるのだけど、
意外にそのことは知られていません。
ビタミンやミネラルより
過小評価されてしまっているのがこのケルセチン。
ケルセチンをもう少し掘ると、
自然界に広く存在する重要なフラボノイドです。
人が消費する全フラボノイドの
約60% 以上を占めています。
フラボノイドは、特定の花、果物、穀物、
野菜に色を与える色素である
ポリフェノールの一種です。
フラボノイドは、
6つのグループに分けられるのですが、
ケルセチンは、フラバノールと
呼ばれるグループに属しています。
このケルセチン、多くの幅広い効用と強力な
パワーを持っていて、
他のフラボノイドの中でもその効力は
際立っているとされています。
最近のアンチエイジングの研究では、
レスベラトロールやケルセチンが
特にスポットライトを当てられて
世界で研究が進められていますよね。
このケルセチンが、特に優秀だとされるている
アンチエイジング効果ってのが
「細胞のクリーンアップ作用」とされています。
2015年のアメリカ最先端医療クリニックとして
世界的に権威のあるメイヨークリニック、また
ボストン医大などの共同研究により、
ケルセチンが健康な細胞に損傷を与えることなく、
古くなった細胞を選択的に除去してくれるという
細胞削除の能力を保持しているということが分かりました。
これは老化速度を大幅に遅らせ、
健康寿命の延長に大きく影響を与えます。
古くなった細胞をいつまでも放置しておくと、
錆びつき、臓器の老化を促進する物質が放出され、
全身が老朽化していきます。
また健康な細胞にまで飛び火し、
機能不全に陥らせます。
やっかいなことに、古くなった老朽化した細胞は
全身に存在しています。
この古い細胞が蓄積する場所へ
随所にダメージを与えていきます。
脳、心臓など臓器、血管、神経、肺、腸、骨・・・・
この古くなった細胞の放置により、炎症、癌、
加齢に伴う慢性疾患のトリガーとなるとされています。
元来、人間は、古くなった細胞を
新しい細胞へ更新する免役システムや、
更新能力を生まれながらに持っていますが、
年々、歳を重ね、外的刺激に晒されていると
このシステムも古くなり、経年劣化、老朽化、
バグが出たりなど、
能力が低下し、免疫力が低下します。
古くなった細胞の更新作業が遅れ、
弱くなり、中から腐敗し、免疫力が低下すると
癌、炎症、加齢で起こる疾患に罹り易くなります。
このケルセチンによる
細胞のクリーンアップ能力に非常に長けていて、
老化の進行を遅らせること、しいては
健康寿命の延長に大きく貢献することは
他の様々な研究でも示唆されています。
・ケルセチンの老化防止・若返り効果
・加齢と糖尿病における水晶体:ケルセチンの効果
また例え老年期であったとしても、
古い細胞が一掃されることで、
すでに進行中の加齢に伴う疾患の速度を
遅らせることができることも、
メイヨークリニックの研究で示唆されています。
p16Ink4a陽性の老化細胞のクリアランスは加齢関連障害を遅らせる
他にもケルセチンを摂取するメリットとして、
・抗酸化作用
炎症、腫瘍、癌、老化促進のトリガーとなるフリーラジカル。
このフリーラジカルを除去し、細胞の錆び付きから
保護してくれるのが抗酸化作用。
ケルセチンには、ビタミン C やビタミンE よりも
大きい抗酸化力があり、フリーラジカルから保護してくれる。
・抗炎症作用
ケルセチンは、急性および慢性の炎症を防ぐのに役立ち、
CRPの軽減と調整に貢献します。
またケルセチンは、体内でヒスタミンを放出する細胞を
安定させるのにも役立つことから、抗炎症、
抗ヒスタミン効果があります。
ヒスタミンは、喘息、アレルギー性鼻炎、
湿疹などのアレルギー状態に存在する化学伝達物質です。
したがって、喘息や気管支炎などの呼吸系の安定に役立ちます。
ちなみにブラックシードオイルの主成分の
1つであるチモキノンの薬効成分にも、
ヒスタミンの放出を阻害する作用があり、
呼吸器系内の炎症を軽減するのに役立つことが知られています。
他にも、ケルセチンには、肥満によって、
脂肪組織、肝臓、骨格筋、血管系に
慢性的な炎症を引き起こすことから、
肥満による慢性炎症を、抗炎症作用のあるケルセチンで
軽減できる効果も研究で示唆されています。
ケルセチンによる慢性炎症の調節:肥満に対する有益な効果
メタボリックシンドロームおよび関連障害患者の
脂質プロファイルおよび炎症マーカーに対するケルセチン補給の効果
COVID-19 治療におけるケルセチンの抗炎症の可能性
他にも、血圧の安定、血糖値バランスの調整作用、
LDL コレステロール分子の酸化と動脈壁への付着を防ぎ、
悪玉コレステロールのレベルが低下させて、
動脈を通る血流の詰まりや滞りをスムーズにする作用も。
そこでこのアンチエイジング効果が非常に高い
ケルセチンというフラボノイドを多く含むものとして、
■ケルセチンが豊富に含む食品として
・りんご
・ベリー類(エルダーベリー、ブルーベリー、クランベリー、カムカムなど)
・赤ワイン
・玉ねぎ
・ブロッコリー
・ケール
・トマト
他にもケルセチンが含有されているものとして
・ケーパー
アーユルヴェーダではヒムスラとして
使用されているケーパー。ヨーロッパでは現在も
スパイスとして使用されています。
バイオフラボノイド(ビタミン P)として
ルチン、ケルセチンが含まれており、
他にもビタミン E、ビタミン K、パントテン酸、
カリウム、リン、カルシウム、マグネシウム、
銅などのミネラルを多く含む、注目のスーパーフードスパイスです。
下記商品で使用されています。
・そば
・緑茶
またケルセチンと一緒になることで、
各々のパワーがアップしたり、より効果が
相乗的に発揮しやすくなるものとして、
■ケルセチン+レスベラトール
研究によると、ケルセチンとレスベラ トロールは、
複数の補完的なメカニズムによって連携し、
相乗的に機能してくれるとのこと。
結腸発癌に対する赤ワインポリフェノール抽出物(RWE)の異なる保護効果
HDACの阻害は、神経膠腫細胞の天然ポリフェノールによって
誘導される老化を増加させる
■ケルセチン+ビタミンC
「ビタミンCとケルセチンの同時投与は、
抗ウイルス特性と免疫調節特性が重なり合い、
アスコルビン酸がケルセチンをリサイクルする能力があるため、
相乗的な抗ウイルス作用を発揮し、
その有効性を高めるという証拠がある」と示唆
ケルセチンとビタミン C: SARS-CoV-2 関連疾患 (COVID-19) の
予防と治療のための実験的相乗療法
いかがでしたか。
その効果が意外と知られておらずに
過小評価されているケルセチン。
この抗酸化物質の摂取について
少し意識すれば、
お肌にとって、健康にとっても、
大きなリターンを得られること、
間違いなしです。
おあとがよろしいようで。
今日はここまで。
おしまい。