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2022/11/15 14:00
「最近どうもやる気が出なくて・・・」
「体がだるい・・・」
「覇気がない・・・」
こんな症状が思い当たる場合、
適切に「脳のデトックス」ができていない可能性があります。
体内の不要な老廃物は
リンパ系を利用して、
血流に運ばれ、肝臓、腎臓、肺、
毛穴に運ばれて体外に排出されます。
でも脳は別です。
リンパ系でも解毒が
到達できない唯一の臓器が“脳”です。
では、この脳の老廃物を除去するには
どういうシステムが稼働しているのか。
それが
グリンパティックシステム:Glymphatic systemと
呼ばれるシステムです。
2012年、ニューヨークの
ロチェスター大学医療センターの科学者によって
発見されました。
それは脳と中枢神経系から
老廃物を除去する体内のシステムのこと。
脳と脊髄を取り囲み、
浸す脳脊髄液 (CSF)。
これは脳と脊髄を摩擦や損傷から
保護するクッションです。
この体液が、うまく脳内を循環していれば、
脳内の老廃物を除去できます。
脳内の老廃物除去システム、
毒素のろ過システムって感じです。
この循環システムがしっかりと
滞りなく、稼働、循環していれば
問題ないのですが、
この循環に、滞りや詰まりが起きてしまうと
脳内の老廃物が蓄積し、
それがプラークとなり、こびりついてしまう。
このグリンパティックシステムがうまく機能せず、
プラークがどんどん蓄積していくと
どうなるか。
・倦怠感
・イライラ
・原因がない悲しみの襲来
・不安感の増大
・鬱
・物忘れ
・記憶喪失
・脳損傷と脳卒中
・中毒や依存症
・アルツハイマー病
またグリンパティックシステムは
脳内のゴミ清掃だけではなく、
頭蓋内にある体液量のバランスや
中枢神経系の免疫を健康的に保つのに
重要であると考えられています。
脳は、毎秒大量の情報をさばいている為、
非常に活発に活動しています。
この膨大な運動量、代謝によって
老廃物も急速に出てきてしまい
それが蓄積していってしまいます。
この老廃物とは、
ベータアミロイドと呼ばれる有害タンパク質、
活性酸素種、過剰なイオン、
その他の化合物が含まれます。
脳内の循環システムが
うまく機能しなくなる主な要因として、
・睡眠不足
・炎症性食品を含む高度に加工された食品
・アルコールの大量摂取
・タバコ
・薬物
・一部の薬
・重金属や環境汚染物質などの異物への暴露
体内の毒素をリンパ液で解毒するのと同様に
脳脊髄液(CSF)が、脳のリンパ液のように機能し、
脳を清掃して、脳の外へ追いやり、
最終リンパ菅へ排出される。
ではこの脳内の老廃物循環システムを
うまく稼働させるためにはどのような方法があるのか。
またそもそも脳機能を適切に、
そして健康的にするには
どのようにしたらいいか。
1)睡眠
睡眠することによって、脳への
記憶形成、脳疲労の回復、
メンタルリラックスなど様々なメリットがありますが、
グリンパシステムの循環機能が
劇的にパワーアップすることも分かっています。
老廃物やベータアミロイドを
大量に除去してくれることが分かっています。
睡眠によって、脳脊髄液の流れが増加し、
脳と脊髄を浸し、栄養素をリフレッシュし、
代謝廃棄物を洗い流してくれます。
覚醒状態に比べて最大 90% の
グリンパクリアランスの増加が見込めるとされています。
毎晩約 7 ~ 9 時間の睡眠が必要です。
睡眠不足、睡眠の質の低下は、
脳細胞の損傷に加えて、
脳のゴミが蓄積する大きな要因になるので
睡眠への投資は最優先事項です。
ちなみに、アルツハイマー病は
脳内の有毒タンパク質のベータアミロイドの
蓄積によって引き起こされると考えられており、
実際、ウィスコンシン大学マディソン校のグループによる
2017年の研究では、睡眠不足と人間のアルツハイマー病との
関連性が示されています。
・できるだけ毎日、同じ時間に就寝し、起床する。
体内時計を整える。本当は休みの日も同じにしたいところだけど、
30分~1時間のレンジにしておく。
・完全遮光にして、気温は夏も冬も少し涼しく感じる部屋で寝る
・エアコンの電源ランプ、オーディオ機器、
ブルーライト、デジタル機器の光のない部屋で寝る
・寝る前にリラックスできる本を読む。
・考え事が頭から離れない場合は、就寝前や朝に日記やタスクを書く。
・リラックスする睡眠儀式を習慣化する。(寝る前にルームスプレーをする、
アロマを炊く、ストレッチをする、キャンドルや岩塩ランプを灯す、祈るなど)
・ヨガ、瞑想、深呼吸エクササイズ
・朝日を浴び、太陽を浴び、ビタミン D レベルを高め、日中のセロトニンレベルを高め、
夜のメラトニンへとスイッチングが適切に行われるようにする。
2)運動
運動は、グリンパシステムの機能向上に貢献することが
分かっています。
2017年の研究で、CSFの流入を増加させることにより、
運動したマウスは座りっぱなしのマウスと比較して、
グリンファ活動が高まっていることが示されました。
また運動は、脳への酸素、栄養素、血液の流れや
循環も向上し、認知機能も上がります。
他にも体内の老廃物を排出する
リンパ系の循環力も向上します。
HIITトレーニング、ランニング、ウォーキング、
サイクリング、ウェイトトレーニング、ヨガ、ダンスなど
高強度とソフトな運動を組み合わせる。
また運動はストレスを発散させ、
睡眠の質を高めることもできるなど、
様々なメリットがある。
人間は2本の足がある理由として
元々動くように設計されているので
定期的に運動を習慣化すること。
そもそも習慣化することが苦手な人は、
下記、過去記事を参考に。
きっと習慣化、クセ付けするための
理解が早まります。
■自分を改善するのに必要な4つのこと
3)抗炎症食
鬱病は脳の炎症とも言われている。
体内や脳の炎症を軽減させるもの、
脳へ栄養素を送り込めるもの、
フリーラジカルを軽減できるものなど
脳の健康をサポートする食品を摂取する。
豊富な水分補給、ビタミン、ミネラルが豊富な食事、
オメガ3など、抗酸化物質が豊富な食品が大事になってくる。
・水分補給1日2リットル目安(脳の血流向上や体内毒素の排出など循環サポート)
・葉物野菜
・果物(キュウイ、ベリー類、柑橘類など)
・ショウガ、ウコン、ニンニク、ローズマリー、ブラックシードオイルなどのハーブやスパイス
・ヨーグルト、ケフィア、キムチ、ザワークラウトなどの発酵プロバイオティクス食品
・ナッツ類、シード類
・豆類
・全粒穀物やサツマイモなどの複雑な炭水化物
・オメガ3豊富な魚(サーモン、イワシ、サバなど)
・アボカド、オリーブ オイル、ココナッツ オイル
いかがでしたか。
脳内プラーク、蓄積していませんか?
この詰まりをクリーンにすることで、
脳の霧が晴れ、集中力も増し、明晰で、
挑戦する勇気や活力も増し、
不安感や悲しみも軽減し、
メンタルの安定に繋がります。
年々、加齢とともに
この脳の循環システムの力は
低下していってしまいます。
更に徐々に年齢と共に
睡眠時間も低下していくということもあります。
また人間関係、仕事など様々な
ストレスが日々、私達を襲ってきます。
体が常に緊張して、「戦闘が逃げるか」の
シグナルが常時慢性的に発せられている状態です。
よりいっそう脳内の老廃物が
蓄積しやすい環境になります。
記憶喪失、気分の低下、
不安感の増大、やる気の低下などに
結びつきやすい状況下だということ。
大変月並みで、耳タコですが、
よく寝て、よく食べ(健康的なもの)、
よく運動すること。
これにつきます。
上記の知識を参考にしてみてください。
おあとがよろしいようで。
今日はここまで。
おしまい。